配分額 *注記 |
15,760千円 (直接経費: 14,500千円、間接経費: 1,260千円)
2007年度: 5,460千円 (直接経費: 4,200千円、間接経費: 1,260千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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研究概要 |
平成17年度はヨウ素造影剤のK吸収端よりわずかにエネルギーの高い準単色X線を発生するために,単体の金属ランタン(La)標的の開発を行った.この標的に2MeVの陽子ビームを照射して発生するX線を測定したが,強度が低く,予定のファントムを用いた透視撮影実験が困難であることが分った.平成18年度はこのLa標的に,よりエネルギーの高い7MeVの陽子線を照射しX線を発生した.これを用いてヨウ素造影剤及び骨を摸擬したカルシウム化合物を充填したアクリル製ファントムの透視撮影を行った.比較のためにスズ(Sn)標的を用いた撮影も行った.撮影にはイメージングプレートを用いた.その結果,La標的を用いた方がSn標的の場合よりも画像のコントラストが高いことが分った.逆に,Snの場合はバックグラウンドを強調できることが分った.さらにLa標的のときの画像からSnのときの画像を差し引くことにより,造影剤の像のみを鮮明に抽出することができた.この方法によって,より低い造影剤濃度で撮影が可能となり,患者への負担を低減できる可能性があることが分った.平成19年度は陽子ビームをテーパーしたガラスマイクロキャピラリーに通して10ミクロン程度に絞り,画像の空間分解能を向上させることを試みた.キャピラリー出口直後に金属薄膜標的を置き,裏面に出るX線を用いて試験用被写体の拡大透過撮影実験を行った.しかし5MeVを越える陽子はキャピラリーの側壁を貫通してしまうため,予定の7MeV陽子による撮影はできなかった.そこで2MeV陽子を銅標的に照射して発生する低エネルギーX線を用いて実験を行った.その結果,キャピラリー出口径と同程度の空間分解能が得られた.予定通り7MeV陽子とLa標的を用いて高分解能画像を得るためには,陽子ビーム強度の増大,壁の厚いキャピラリーの製作,キャピラリーの冷却等が必要であることが分った.
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