配分額 *注記 |
9,980千円 (直接経費: 9,200千円、間接経費: 780千円)
2007年度: 3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 4,400千円 (直接経費: 4,400千円)
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研究概要 |
エウクレイデスの著作の図版を写本から再描画し,その特徴を明らかにした.報告書には,以下の解説および図版が収録されている. 1.再描画のために開発したプログラムDRaFTについてGregg De Youngによる解説 2.エウクレイデス『天文現象論』全命題のギリシア語・アラビア語写本の図版. 3.『原論』第2巻・第3巻の図版(6種類のギリシャ語写本による).一部欄外に追加された図版も収録した. 4.『視学』(『光学』)のギリシア語写本による,いわゆるA,B2系統の双方の伝承の全命題の図版. なお,『原論』第4巻の命題の図版はスペースの制約から,web上でのみ公開する予定である. 本研究で得られた新たな知見の主なものは次のとおりである.ギリシア数学文献の図版は,今日の基準から見ると,一般の平行四辺形に対する命題で長方形が描かれるなど,過度に標準化されていることが多く,その一方で計量的関係が正確に表現されることは稀であり,「正確」な図版は後代の訂正の結果であることが多い.まだ『視学』の図版では複数の視点からの図が一枚の図版にまとめられることがある.これらの特徴は,図版を理解するための暗黙の規約が,今日とは大きく異なっていたことを示す。
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