研究課題/領域番号 |
17300288
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化財科学
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研究機関 | 東京芸術大学 |
研究代表者 |
籔内 佐斗司 (薮内 直樹 / 薮内 佐斗司) 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (10376931)
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研究分担者 |
稲葉 政満 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教授 (50135183)
矢野 健一郎 東京芸術大学, 美術学部, 非常勤講師 (60401486)
副島 弘道 大正大学, 文学部, 教授 (20216576)
高宮 洋子 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 非常勤講師 (10334492)
山内 友紀子 (渡辺 友紀子) 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 教育研究助手 (40436704)
武笠 朗 実践女子大学, 文学部, 教授 (30219844)
柿田 喜則 東京芸術大学, 大学院・美術研究科, 助手
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,740千円 (直接経費: 7,900千円、間接経費: 840千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
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キーワード | 仏像 / 3D / デジタル・データ / 文化財 / 定朝 / 慶派 / 様式 / 美学 / 彫刻 / 保存 |
研究概要 |
本研究は、彫刻文化財に対する従来の調査方法に加えて、赤外線による三次元レーザースキャニング計測を中心に、定朝様式の展開解明を目的とし、それに付随して文化財保護においても史料的価値・文化財修復等への高い貢献が考えられるものである。 史料集積の対象には、定朝様においては、銘記などにより制作年代・作者が判明している基準作例である平等院および安楽寿院を主軸とし、定朝様式から鎌倉時代へ移行する、藤末鎌初期を中心とした様式の展開と比較として瑞林寺地蔵菩薩、石山寺大日如来坐像、円成寺大日如来坐像、東京芸術大学所蔵快慶作大日如来坐像など慶派様式への移行を示す像を主要に調査および計測を行った。更に、具体的な制作年代は不明だが地方の貴重な作例についても複数体のデータ集積を行った。 これらのデータを基に、日本の仏像彫刻を系統立てて分類した太田古朴著『仏像彫刻技法』綜芸舎(1980)がまとめる客観的数値に基づく様式分類や、仏像造像の法則性究明算定方法について、改めて検証を行うと共に、同著では資料の少ない像の奥行きについても新たに特定の比率パターンを探った。この法則の再検討は、藤末鎌初における定朝様式展開、関東地方への定朝様式の伝播過程や京都仏師との関連性、鎌倉様式の受容状況などの検証、「定朝様式」とされる仏像群の詳細な解析などを進める上でも、重要で意義深いものと考える。 検証の結果、定朝様式の木割法について、太田氏は、仏身の髪際高を基準とした法則を見いだしたが、三次元データで得られた精密な数値から、定朝様式の木割法が白毫高に基づいている可能性を指摘できる結果となった。これにより、これまで検証がなされなかった太田氏の算出方法について一石を投じる結果を得ることとなった。
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