研究課題/領域番号 |
17310042
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
田中 秀夫 筑波大学, 名誉教授 (40015657)
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研究分担者 |
青柳 秀紀 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授 (00251025)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,660千円 (直接経費: 15,000千円、間接経費: 660千円)
2007年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2006年度: 5,800千円 (直接経費: 5,800千円)
2005年度: 7,000千円 (直接経費: 7,000千円)
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キーワード | 共生 / クロレラ / ケミカルコミュニケーション / フィジカルコミュニケーション / sheath / EOC / 混合培養 / 排水処理 / 複合微生物系 / レクチン / 複合生物系 |
研究概要 |
自然界の共生系を構成する微生物間で行われているCommunicationの機構を解明し、その機構を模倣することで新規な人工の微生物共生系を構築し、その利用性を検討した。模倣対象となる共生系のモデルとして、これまで菌株保存機関にて長期間純粋分離されずに継代培養されてきたChlorella sorohiniana IAM C-212株(クロレラと3種の細菌と1種のカビが安定して共存している)を研究に用いた。クロレラと微生物の間で行われているCommunicationの解析を詳細に行った結果、Chemical Communication(クロレラから共生微生物に供給されるExtracellular released organic carbon [EOC]等のやりとり)とPhysical Communication(クロレラが光合成により排出するゲル状粘着多糖物質[sheath]を介した細胞同士の接着)の2種類が存在し、両者が高度に連動する事により、安定した共生系が維持されている事を明らかにした。得られた知見を活用し、Chemical Communicationにおいて重要な役割を果たしているEOCの構成成分を模倣した人工EOC培地を開発した。その結果、通常の培地では獲得することができなかった新種の細菌(既報の細菌と16SrRNAの相同性が91〜95%)を自然界から多数獲得することが可能となった。また、Sheathを介したPhysical Communicationを模倣し、接着型の微生物共生系を人工的に構築する手法を開発した。開発した手法を用い、クロレラとプロピオン酸分解菌を組み合わせた人工の微生物共生系を構築し、廃水処理へ応用した結果、クロレラ単独では分解できないプロピオン酸を含むモデル廃水の迅速な処理に成功した。本研究により人工の微生物共生系の構築が可能となり、その有用性が示唆された。
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