研究課題/領域番号 |
17310054
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
環境技術・環境材料
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研究機関 | 中部大学 |
研究代表者 |
二宮 善彦 中部大学, 工学部, 教授 (10164633)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,470千円 (直接経費: 14,900千円、間接経費: 570千円)
2007年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2006年度: 10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2005年度: 2,800千円 (直接経費: 2,800千円)
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キーワード | 飛灰焼成法 / 塩素化合物 / 塩化水素 / 塩素ガス / 廃棄物熱処理 / 気相平衡計算 / 塩素ラジカル / 粒子状浮遊物質 |
研究概要 |
飛灰の無害化処理技術として、飛灰焼成法が注目されている。本方法は、飛灰の組成比率、調合組成、温度、滞留時間、炭素成分濃度(還元度)などによって、金属およびその金属塩化物の蒸気圧が変化し、その結果として飛灰への残存量やHCl濃度が変化する。さらに、処理条件によって有毒な塩素ガスが発生する可能性があるため、廃棄物熱処理プロセスにおける塩素化合物の挙動を理論的に解明する必要がある。3年間の研究から、下記の点が明らかになった。 塩素の発生に影響を与える成分は塩化水素と水蒸気である。塩素の発生量は塩化水素の増加に伴い増加し、水蒸気の増加に伴い減少した。この結果、塩素発生量を削減するためには水蒸気添加が有効であると判断された。本結果は、平衡計算の結果とほぼ一致した。 38個の塩素系の素反応式を選び、CHEMKINを使用して、化学種の濃度の時間および温度変化を計算した。実験結果との比較の中で、高温場で発生した塩素ラジカルがガス冷却過程において、ラジカル同士の再結合によって塩素ガスが発生し、水蒸気との反応によって塩化水素ガスに変化することが明らかになった。 流通式反応器を使用して、塩素含有率の異なる飛灰サンプルを作製し、重金属化合物の揮発挙動を検討した。飛灰サンプルとしてSiO_2、Al_2O_3、PbCl_2、ZnO、CuO、CaCl_2、Fe_2O_3が含まれている。塩素源のCaCl_2を増加させるとガス中のCl_2が増加した。塩素源がないときはPbの25%が揮発せずにサンプルに残存したが、CaCl_2を3%添加すると1473KでPbの90%が揮発した。揮発化した元素は冷却時に気相析出し粒子状浮遊物質となるが、Pbの場合は973Kでほぼ全量が酸化物および塩化物の粒子となり、本結果は、冷却時の気相析出を考慮した平衡計算結果とその傾向はよく一致した。 亜砒酸を添加した実験においては三塩化砒素が発生したが、塩素ガスの発生量は著しく減少した。1173K〜1473Kで実験を行ったが、塩素、三塩化砒素のいずれもが温度の上昇に伴い発生量が増加した。
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