配分額 *注記 |
14,990千円 (直接経費: 14,600千円、間接経費: 390千円)
2007年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 11,900千円 (直接経費: 11,900千円)
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研究概要 |
本研究は,微粒子が集合して形成する構造を様々な形状の微粒子について研究する目的で作られた汎用剛体微粒子シミュレーターの開発プロジェクトである.プロジェクトは,1.汎用剛体微粒子シミュレーターの開発,2.微粒子分散系のメゾ構造制御、3.シミュレーターを学術的な課題に適用する,という大きく3つのテーマに分けて実施された.以下に,この3つのテーマそれぞれの研究成果について記述する. 1.開発したシミュレーターには,ESCARGOT(Equilibrium StruCture of hARd General 0bjecTs)と命名した.このシミュレーターは,微粒子同士がお互い反発しあう効果を基盤として微粒子の集合構造を研究するための計算機プログラムである.プログラムについて,モンテカルロシミュレーションを行う汎用性の高い基本部分と,個別の特殊な問題に対応するための拡張機能を分離できるように工夫した.プログラムのバージョン(Ver.)は5まで進み,Ver.5のファイル形式を将来的に維持することとした. 2.微粒子分散系のメゾ構造制御のテーマでは,有機化クレイを強誘電性高分子PVDF中に分散させた系の研究を中心に行った.有機クレイを強誘電性高分子PVDF中に分散させることが,PVDFの結晶化に影響を与えること,および,そうして得られた試料が,未延伸でも強誘電性に特有なD-Eヒステリシスを示すことが分かった.クレイ粒子の表面構造とPVDFとの相互作用と,クレイ粒子がナノメーターサイズという点から,僅かな添加量にもかかわらず著しい変化がみられ,PVDF/クレイ微粒子複合材料のさまざまな応用性が示された. 3.キラル分子が形成する液晶構造や,樹脂が硬化する際の体積変化の問題などにシミュレーターを適用し,シミュレーターの有用性を確認した.
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