配分額 *注記 |
14,360千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 11,300千円 (直接経費: 11,300千円)
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研究概要 |
本研究は,金属ナノ接点における電流誘起破断の研究を深化発展させ,その成果を電流誘起破断を利用したナノギャップ電極作製に応用することを目的としている.得られた主な成果は以下の通りである. 1.各種金属ナノ接点の破断コンダクタンスの測定を行い,接点破断の臨界電流密度と融点との間に正の相関があることを明らかにした.この結果は,ナノ接点の電流誘起破断が接点の融解と深く関連していることを示唆している. 2.機械制御破断接合(MCBJ)を利用して原子サイズ接点のコンダクタンス2準位揺らぎ(TLF)を低温で測定し,TLF周波数のバイアス依存性から,高バイアス下における接点の実効温度を評価することに初めて成功した.77Kでは,銀・亜鉛接点はそれぞれ0.5V・0.4V以上で実効温度が上昇し始めるのに対して,金・銅接点は0.6Vまで温度上昇を示さない.しかし4Kでは金接点もバイアス電圧による温度上昇を示し,その振る舞いはTodorovらによる理論と良く整合することが明らかになった. 3.超高真空MCBJ装置を用いて金・銅単原子接点を作製・保持し,バイアス電圧をスイープして接点が破断する電圧を室温で測定した.金・銅単原子接点の破断電圧は広い分布を示し,その平均値はそれぞれ1.1V・0.7Vである.金単原子接点の方が高いバイアスまで安定であり,これは従来の結果と一致している.また金の破断電圧の実験結果は,接点破断の熱活性モデルによりほぼ説明される. 4,その他MCBJおよびSTMを利用し,多層カーボンナノチューブおよびベンゼンジチオール分子の電流誘起破断,シリコン探針-シリコン試料の破断接合のコンダクタンス,等に関する実験研究を行い,それぞれ成果を得ている.
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