研究概要 |
化学的,熱的安定性を持つLaPO_4にCe^<3+>とTb^<3+>を共ドープすると,Ce^<3+>がd-f許容遷移によって励起され,Ce^<3+>からTb^<3+>ヘエネルギー移動が起こり,f-f禁制遷移による緩和からTb^<3+>が緑色に発光する.LaPO_4:Ce, Tbナノ蛍光体の透明分散液を作製し、溶媒分子や表面修飾剤の吸着が結晶場および蛍光特性に与える影響を,蛍光内部量子効率を算出して定量的に検討したLaPO_4:Ce, Tbナノ粒子の透明分散液は,金属酢酸塩とリン酸トリメチルを,水とメタノール混合溶媒に投入し,150℃以下でオートクレープ処理した後,透析して得た.透過型電子顕微鏡による粒子の観察や動的光散乱法による粒度分布の測定を行った結果、10nm以下のナノ粒子が生成することがわかった。LaPO_4:Ce, Tbナノ蛍光体の分散液にポリリン酸ナトリウム、ラウリルリン酸、親水性リン酸系表面修飾剤などを添加したり,n-ヘキサンやジメチルスルポキシドの溶媒に再分散したりすることによって,表面修飾をしたLaPO_4:Ce, Tbナノ粒子の透明分散液を調製する手法を確立した.蛍光内部量子効率の定量や蛍光寿命測定により、表面修飾による表面アニオン欠陥が不動態化されることが示唆された.一方、透明分散液を波長変換光デバイスへ応用するために、粒径約5nmのZnS : Mnナノ粒子の透明分散液を用いて、樹脂封止してナノ蛍光体分散シートを作製することを検討した。とりわけ、ナノ粒子が溶媒中に分散した状態で樹脂封止されるかどうかを検討した。また、多色化の試みとしてZnS : Mnと同じ励起帯域で発光する蛍光体について検討した。
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