研究分担者 |
朝岡 秀人 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (40370340)
加倉井 和久 独立行政法人 日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, ユニットリーダー (00204339)
角田 匡清 東北大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (80250702)
高梨 弘毅 東北大学, 金属材料研究所, 教授 (00187981)
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配分額 *注記 |
13,550千円 (直接経費: 13,100千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 1,600千円 (直接経費: 1,600千円)
2005年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
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研究概要 |
1.磁性人工格子の中性子による精密構造解析を行うために、日本原子力研究開発機構(JAEA)の研究用原子炉JRR-3に設置されている3軸型偏極中性子分光器TAS-1と中性子反射率計SUIRENの偏極中性子オプションの整備を行い,測定の効率化と高度化を実現した.これにより,本来散乱体積が少ないために難しいと考えられてきた磁性人工格子の磁気構造解析の基盤が整い,その報告を論文発表と学会発表で行った. 2.TAS-1と先端的な磁気構造解析装置である3次元偏極解析装置(CRYOPAD)を使ってCr/Sn人工格子の磁気構造の精密解析を行い,特異なスピン密度波の詳細な構造を明らかにした.この他,研究分担者や共同研究者から磁性薄膜,人工格子試料の提供を受け,精密磁気構造解析を行って,その結果を日本物理学会,日本中性子科学会,茨城県中性子利用促進研究会などで発表した.ひとつの例として,巨大磁気モーメントの存在が長年にわたり議論になってきた窒化鉄薄膜の磁気構造解析を行い,巨大磁気モーメントは存在しないこと,ユニットセル内に存在する異なる3サイトに属するFeが異なる大きさの磁気モーメントを持つことを明らかにし,バンド計算と矛盾のないことを示した. 3.磁気ヘッド材料などでスペーサー層として重要な役割を果たしているRuの,Kセルによる蒸着に成功した.Ruは高融点金属でありKセルによる蒸着はこれまで試みられた事がなかった.この手法と基板表面の水素終端処理法を使って,歪みのない高品位のエピタキシャル膜を成膜するための基盤を築くことができた.
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