配分額 *注記 |
14,870千円 (直接経費: 14,000千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
2005年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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研究概要 |
細胞チップなどのバイオデバイスの開発には,細胞接着の制御技術が必須である。本研究では,細胞接着をその場でコントロールする電気化学バイオリソグラフィーの技術的確立を行い,細胞接着の制御に留まらず,既に付着している細胞の増殖,伸長,遊走,をin-situで誘導する技術に展開した。数マイクロメートルの精度で段階的なリソグラフィーを行う必要があった。最適条件の系統的探索のために,生死判定を含む評価法を導入し、細胞にダメージを与えることなく、基板層のみを改質できることが分かった。 加えて,電気化学バイオリソグラフィーを行なうための電極と,誘電泳動を行なうための電極を,マイクロ流路チップの内壁に作製し,流路チップ中での細胞の迅速な固定化を実践した。その結果,細胞懸濁液を流した状態で,100%の細胞捕捉を実現し,2種類の細胞を配列して固定する事が出来た。 細胞診断を簡便化するための細胞チップの研究開発が加速しており,採取した細胞をチップの適所に固定するための簡便な方法が必要とされている。電気化学バイオリソグラフィーは,電極と電源(乾電池程度)からなるシンプルな機構であり,マイクロ流路チップ等への集積化が容易であり,細胞のアレイを「その場で」作成するバイオチップに応用可能と考える。そこへ,誘電現象を利用して細胞を捕集して固定化を出来るという今回の成果は,血液診断の効率化に大きく寄与すると期待できる。また,動物実験の代替として培養細胞による毒性試験への要求が高まっているが,そのような細胞チップのハイスループット化にも寄与し得る基盤的成果である。
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