研究課題/領域番号 |
17310091
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会システム工学・安全システム
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
古田 一雄 東京大学, 大学院工学系研究科, 教授 (50199436)
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研究分担者 |
高橋 信 東北大学, 大学院工学研究科, 助教授 (00243098)
青山 久枝 東京大学, 電子航法研究所・航空交通管理領域, 主任研究員 (40392790)
蔭山 康太 東京大学, 電子航法研究所・航空交通管理領域, 主任研究員 (60392784)
菅野 太郎 東京大学, 大学院工学系研究科, 助手 (60436524)
安藤 英幸 東京大学, 大学院・新領域創成科学研究科, 助教授 (60323440)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
10,200千円 (直接経費: 10,200千円)
2006年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2005年度: 5,900千円 (直接経費: 5,900千円)
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キーワード | 航空管制 / エンルート管制 / ヒューマンファクタ / エスノメソドロジー / タスク分析 / 認知モデル / 状況認識 / シミュレーション |
研究概要 |
本研究では、まず航空管制システムにおいてヒューマンファクタの問題を考えるアプローチとして、実験的な方法で航空管制業務のタスク分析を行った。実験データの分析により管制官の業務戦略には共通性がみられ、それらの共通となる戦略を構成する知識がルーティンとして抽出できるということがわかった。ルーティンは管制官が意思決定を行うために必要な知識のパッケージであり、状況予測のマッチングのモデルとして用いられ、出発機、到着機、通過機としての特徴を識別するのに用いられる。さらに、用いられている全てのルーティンの種類を抽出し、その妥当性を確認した。以上の分析結果を踏まえ、ルーティン適用により管制処理を行うような、通常のタスク状態におけるレーダー席管制官の認知モデルを提案した。このモデルは、管制官が任意の状況に対して管制指示を決定するまでの認知プロセスを示しており、管制官の認知プロセスがRPDやNDMのようなプロセスで行われており、そのプロセスを構成する要素に知覚、理解、予測という3つ要素から構成される知識としてのルーティンが用いられるようなモデルを提案した。たま、ルーティン実行による管制官の管制指示行動を再現する、管制官認知シミュレータのプロトタイプを開発し、が実行可能なモデルであることを確認した。 航空交通の安全のためには、さらに管制官とパイロットとの協調が必要である。そこで、コックピットにおけるパイロットの状況認識を支援するため、パイロットのメンタルモデルに基づくインタフェースの改良について提案を行った。提案したインタフェース画面をPCべ一スのフライトシミュレータを用いて実装し、その有効性を確認した。さらに、パイロットの判断をシミュレーションするパイロット認知シミュレータ(PCS)を開発し、提案したディスプレイ方式の有効性を計算機シミュレーションにより確認した。 以上により、航空管制のヒューマンファクタに関する基礎的知見が得られ、安全性向上、判断サポートのための要素技術を提案した。
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