研究課題
基盤研究(B)
Perl::luc導入SCN由来細胞を用いて、検出できうる約800種の代謝物質の細胞内存在量の経時的変化をメタボローム解析で行った。その結果、特に細胞内エネルギーレベルの指標であるATP、ADP、NADPH、NADP量の変化が顕著であり、これらの基礎代謝量が概日時計の支配下にあることが強く示唆された。次に、SCN由来細胞の概日リズム位相同調時(前進や後退)に細胞内レベルが特異的に変動する分子の検索を進めた。その結果、位相前進は後退時に比べて細胞内エネルギーレベルが極度な低エネルギー状態に陥った。この結果は、一般的に位相前進にかかる時間(移行期)が、位相後退に必要な時間に比べて著しく長いということと密接な連関を有すると考えられる。また、このSCN由来細胞には、安定な振動形成のため細胞間同調に機能する分子を生合成していることが明らかになった。この生合成経路を遮断することによって、この細胞の概日リズム形成は著しく抑制された。
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