研究課題/領域番号 |
17310133
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生物分子科学
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研究機関 | 京都薬科大学 |
研究代表者 |
橋本 貴美子 京都薬科大学, 薬学部, 准教授 (90286641)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,170千円 (直接経費: 15,300千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 9,500千円 (直接経費: 9,500千円)
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キーワード | カバ / ヒポスドール酸 / 色素 / 汗 / 酸化 / 酵素 / ホモゲンチシン酸 / 汗腺 / キノン / Pschorr反応 / 合成 |
研究概要 |
カバの赤い汗に含まれる赤色色素(ヒポスドール酸)とオレンジ色色素(ノルヒポスドール酸)の比は、採集時によって異なる。これは、個体によってもどちらかが多いといったような傾向はあるが、何が原因でその比が変わるのかはよくわかっていない。構造からは、赤色色素が脱炭酸するとオレンジ色色素になるが、一度生成した赤色色素は緩衝溶液中や水中で脱炭酸を起こさないことがわかった。この色素は、カバの無色の汗が皮膚上に分泌されてから、色素前駆体であるホモゲンチシン酸が、同時に分泌される酵素の触媒作用により酸化されて生じることがわかってきた。この反応をアルゴン雰囲気下で行うと、酸化反応は起こらないことから、真の酸化剤は空気であることがわかった。この酵素反応を同一の緩衝溶液中でpHを変えて行っても、その比はあまり変わらないが、同じpHでも緩衝溶液の種類が異なると、その比が変わってくることがわかった。この酵素反応を用いて、今後この脱炭酸反応の原因を調べる予定である。一方で、ヒポスドール酸類を化学的に合成する際には、対応する不安定なジヒドロキノンを合成し、これを最終段階で酸化して、不安定な色素へ変換する段階が鍵段階となる。検討の結果、酸化剤として空気を使い、触媒として2価の銅を用いると30%程度(2段階)の収率で、両色素をそれぞれの前駆体(ジヒドロキノン)から合成できた。この酸化反応の際に、赤色色素の前駆体からは、条件によってオレンジ色色素が副生することがわかった。酵素反応の際と同様に、この条件下で赤色色素からオレンジ色色素への脱炭酸は起こらない。しかし、反応時の緩衝溶液のpHには依存する。これは酸化の過程で生じる中間体が脱炭酸を起こすと解釈することができる。
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