研究課題/領域番号 |
17310141
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
玉田 芳史 京都大学, 大学院アジア・アフリカ地域研究研究科, 教授 (90197567)
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研究分担者 |
河原 祐馬 岡山大学, 法学部, 教授 (50234109)
木村 幹 神戸大学, 大学院国際協力研究科, 教授 (50253290)
岡本 正明 京都大学, 東南アジア研究所, 助教授 (90372549)
横山 豪志 筑紫女学園大学, 文学部, 助教授 (80320381)
滝田 豪 大阪国際大学, 法政経学部, 講師 (80368406)
左右田 直規 東京外国語大学, 外国語学部, 講師 (30345318)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
2006年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 民主化 / ポピュリズム / グローバル化 / 政治指導 / マス・メディア / 選挙 / 多国籍 / アジア |
研究概要 |
本研究は民主化以後に登場した新しいタイプの指導者について、(1)その登場の背景ならびに(2)登場が民主化に与える影響について分析した。具体的に取り上げたのは、韓国の盧武鉉大統領、中国の胡錦涛国家主席、タイのタックシン首相、マレーシアの与党青年部副部長カイリー、インドネシアのユドヨノ大統領とゴロンタロ州知事ファデル、インドのインド人民党(BJP)、ロシアのプーチンである。 (1)背景 (a)民主化に伴い指導者が選挙を通じて選ばれるようになったことが新しいタイプの指導者の登場を可能にした。(b)1990年代に政治経済の激動を経験し(経済危機、長期政権の崩壊)、国民が危機からの脱却を可能にしてくれる強い指導者を待望した。(c)既存の政党組織よりも、個人的な人気によって、支持を調達している(自由で公平な選挙が実施されているとはいえない中国とマレーシアは例外)。(d)指導者は国民に直接訴えた。危機で傷ついた国民の自尊心の回復、危機の打撃を受けた経済再生とりわけ弱者の救済をスローガンとした。このいわゆるポピュリズムの側面は中国やインドにも共通していた。(c)(d)双方の背景には、放送メディアやインターネットの積極的な活用が宣伝を容易にしたという事情があった。 2 影響 (a)強い指導力を発揮できた事例とそうではない事例がある。韓国とインドネシアでは期待外れに終わり、タイとロシアでは期待通りとなった。(b)強い指導力を制度化できるかどうかに違いが見られた。プーチンは成功したものの、タイでは強い指導者の登場を嫌う伝統的エリートの意向を受けたクーデタで民主主義が否定された。
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