研究課題/領域番号 |
17310149
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
地域研究
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研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
牛田 千鶴 南山大学, 外国語学部, 准教授 (40319413)
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研究分担者 |
中川 正紀 フェリス女学院大学, 文学部, 准教授 (70295880)
小池 康弘 愛知県立大学, 外国語学部, 教授 (40244537)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,830千円 (直接経費: 8,200千円、間接経費: 630千円)
2007年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 2,300千円 (直接経費: 2,300千円)
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キーワード | ラティーノ / ヒスパニック / 階層分化 / 政治意識 / アイデンティティ / エスニシティ / マイノリティ / 移民法 / ヒスパニック(ラティーノ) / バイリンガル教育 / 「移民法改正」問題 / 「文化の政治」 / バリオロジー(barriology) / チカーノ |
研究概要 |
米国におけるラティーノ人口は、メキシコ革命(1911年)、ブラセロ協定(1942-64年)、キューバ革命(1959年)、中米紛争(1970年代末〜1980年代)、北米自由貿易協定(1994年)などを契機として増え続けてきた。人口が膨張するにつれてラティーノ住民間の階層分化も進行し、政治意識にも幅が見られるようになってきた。今回の共同研究では、その実態を探るための調査・分析を行った。 メキシコ系が大半を占めるロサンジェルス郡で実施したアンケート調査では、ラティーノ化が進む郡内二市の労働者階層と中産階層を比較し分析を試みた。外国生まれの場合、中産階層の方が、滞米期間が長い傾向にあるという結果から、滞米期間の長期化に伴い米国社会への適応が進み、中産化が促進される可能性が高いという半ば常識化している社会経済的上昇パターンを改めて数値で示すことができた。次に、中産階層の方が選挙政治・非選挙政治への関与・関心が高いという結果が得られたが、これは市民権の有無による有権者登録資格の有無という法的規定や政治参加のための時間的余裕の有無が関係しているとも考えられる。移民改正法案への意見については、中産階層の方が懲罰的措置に賛成、温情的措置に反対の姿勢が強いという傾向が明らかとなった。 他方、フロリダ州に集住するキューバ系移民の政治的選好にも、1990年代後半以降明らかな多様化傾向がみられる。その要因としては、年齢と政治的選好の関係というよりむしろ、米国に移住した時期との間に一定の関係性を見いだすことができる。近年、米国のキューバ系社会は、今日のマイアミを作り上げた古い世代を中心とする「オールド・サークル」と90年代以降の「新移民層」に分化しつつある。その背景には、両者の間にキューバ革命の評を含めて価値観の亀裂があり、従来の政治的動員力、統合力が弱まっていること、後者が比較的高い学歴にも関わらず階層的上昇が困難になっていることなどがある。
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