研究課題/領域番号 |
17310155
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ジェンダー
|
研究機関 | 独立行政法人国立女性教育会館 |
研究代表者 |
神田 道子 独立行政法人国立女性教育会館, 理事長 (70058030)
|
研究分担者 |
伊藤 公雄 京都大学, 文学研究科, 教授 (00159865)
大沢 真理 東京大学, 社会科学研究所, 教授 (50143524)
橋本 ヒロ子 十文字学園女子大学, 社会情報学部, 教授 (60286119)
原 ひろ子 城西大学, 大学院人文科学研究科, 教授 (90120831)
坂東 眞理子 (板東 真理子) 昭和女子大学大学院, 教授 (00384628)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2006
|
研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
|
配分額 *注記 |
14,900千円 (直接経費: 14,900千円)
2006年度: 10,800千円 (直接経費: 10,800千円)
2005年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
|
キーワード | ジェンダー / 人身取引 / 売買春 / エンパワーメント / タイ / 暴力 / 人権 / フィリピン / アジア / トラフィッキング |
研究概要 |
我が国は従来、人身取引被害女性(少女)の受入大国であるとNGO等から指摘されてきたが、2001年からアメリカ国務省によって、政府の人身取引対策が"2等級"の国であると格付けされ続けている。本研究は、性的搾取を目的とする東・東南アジアの人身取引に焦点を絞り、 (1)日本国内から見た現状把握、 (2)出身地および経由地の実態北(主な調査地.タイ、カンボジア、ミャンマー、フィリピン)、 (3)被害者が使役される性産業への「需要」の、3つを柱として研究を行った。 研究方法では、 (1)国内の政治家、省庁、NGO等の関係機関に対するアンケートやインタビュー、 (2)国際機関、外国政府機関、海外NGO等へのインタビュー、 (3)人身取引や性の商取引に関する国内大規模意識調査を採用した。 国外のインタビューや文献調査では、人身取引の発端や経由が行われる地域の社会経済事情、家族の状況、ブローカーの手口等が具体的に把握された。また国内での調査によれば、人身取引の形態や手口は、複数国経由や偽装結婚など、より複雑かつ巧妙になっている。「需要」を抑制する面で、取り組みを強化する必要があることが明らかになった。さらに大規模意識調査によって、内外の意識の乖離が判明した。すなわち、国際社会や米国のスタンスは、加害側への禁止と処罰であり、そのためにも被害者は保護・免責の対象であって、予防のために「需要」を低下させることが重視されている。「供給」の端末で使役される女性たちを「取り締まる」ことは、重視されていない。これに対して国内では、性風俗産業で働く外国出身女性に関して「やむなく働いている」という認識が75%であるものの、対処法については、「厳しく取り締まるべき」が「保護・支援すべき」と拮抗している。抜本的に対処するためには、被害者の保護を強めること、性風俗産業の温床となっている意識の改革に取り組むことが必要であり、今後の施策や啓発のあり方に関して重要な示唆が得られた。
|