研究課題/領域番号 |
17320033
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
美学・美術史
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研究機関 | 実践女子大学 |
研究代表者 |
宮崎 法子 実践女子大学, 文学部, 教授 (20135601)
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研究分担者 |
富田 淳 (冨田 淳) 独立行政法人東京国立博物館, 列品室長 (20227622)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,600千円 (直接経費: 12,700千円、間接経費: 900千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2006年度: 4,000千円 (直接経費: 4,000千円)
2005年度: 5,700千円 (直接経費: 5,700千円)
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キーワード | 日本近代の中国書画コレクション / 東京国立博物館高島コレクション / 住友コレクションの中国画 / 靜嘉堂文庫美術館の中国書画 / 清末の美術市場 / 日本の中国絵画史研究史 / 宋元画と明清文人画 / 煎茶と茶の湯 / 中国書画 / 日本近代のコレクター / 住友コレクション / 岩崎家コレクション / 近代の日本画家と明清画 / シレーン / 清末コレクター / 高島コレクション / 槐安居コレクション / 住友家コレクション / 桑名鉄城 / 近世以前の日本所在中国画 / 欧米の中国書画コレクター / 清末における文人と書画収集 / 作品付属品(箱書き、添え状) / 近代の中国書画コレクション / 鑑定と作品評価の変遷 / 日本伝来書画 / 清末の中国書画の移動 / 探幽縮図 |
研究概要 |
日本は明治維新以降、欧米列強に追いきつ肩を並べるべく「脱亞入欧」を目指し、西洋文化の積極的移入がはかられ、また同時に西洋に対する日本の文化的アイデンティティーが模索された。それは、かつて日本で絶対的な文化的規範であった中国文化や中国美術を、歴史上初めて相対化することによって可能となった。江戸時代末に日本の津々浦々に浸透していた明清の文人文化を核にした趣味活動、南画や漢詩の創作や、中国文物や文人画賞翫をともなう煎茶会などは、明治の前期に於いても衰えることなく、政財界などでも重要な社交の手段であり、江戸時代から明治初期にもたらされた明清画が、岩崎家や住友家などのコレクションに吸収された。その後、煎茶趣味は、日本的な茶の湯に取って代わられるが、それは、「日本美術」の確立と、古渡りの「宋元画」への高評価の確定と連動していた。しかし、それは同時に、近代以前にはなかった中国との直接的交流や清末の政治的混乱のなか従来では考えられないような中国書画が日本に流入し、新たなコレクション形成を促した。本研究は、近代日本における中国書画の位置づけの変遷を、代表的なコレクションの形成から探るものであり、東京国立博物館の所蔵品について同館学芸員の富田淳を分担者とし、三菱と住友両財閥のコレクションについて、靜嘉堂文庫美術館の小林優子、泉屋博古館の実方葉子を研究協力者として、具体的な調査を進め、近代以前や、日本のコレクション形成をとりまく欧米の状況、美術史研究そのものとの関係などを視野に入れつつ考察を行ったものである。
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