研究課題/領域番号 |
17320050
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
ヨーロッパ語系文学
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研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
土屋 勝彦 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (90135278)
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研究分担者 |
田中 敬子 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 教授 (70197440)
沼野 充義 東京大学, 大学院・人文社会系研究科, 教授 (40180690)
谷口 幸代 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (50326162)
山本 明代 名古屋市立大学, 大学院・人間文化研究科, 准教授 (70363950)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
7,340千円 (直接経費: 6,800千円、間接経費: 540千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2006年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
2005年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
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キーワード | 越境文学 / クレオール / 移民文学 / マイナー文学 / 脱領域性 / ボーダーランド / 亡命文学 / ハイブリディティ / バイリンガル / 世界文学 |
研究概要 |
近年の世界の文化活動は、グローバリゼーションとローカリゼーションという両極の中で揺れ動いてきたが、そうした潮流に新風を吹き込む越境的な文化活動に注目し、とりわけ文学をフィールドとする作家たちのトランスカルチュラルな活動を総合的に研究することが本研究の目的であった。英語圏、ドイツ語圏、ロシア語圏、東欧、日本語圏における過去および現在の越境作家たちの歴史的、社会文化的な役割とその方向性を考察し、今日の「越境文化」を支える彼らの文化的営為の諸相を明らかにしようと試みた。今年度は、最終年度ゆえに主として研究成果報告書作成に向けて、各研究分担者が論文を執筆しながら、各種研究会およびシンポジウムへの参加・発表、国内外への出張・調査により、越境文学の現況についてさらに知見を深め、研究成果報告書にまとめた。メキシコ系アメリカ文学の越境性、中欧文学と地域的アイデンティティ、カリブ海作家エドゥアール・グリッサンのヴィジョン、ドイツ語圏越境作家たち、言語遊戯と多文化性、ハンガリーにおける国民文学から越境文学への軌跡、ブラジル日本人文学、日本語越境文学というテーマを持つ諸論文に共通するのは、移民や亡命、漂流、移動といった経験を内包する「越境」とは、文学の本質にあること、そして優れた作家・作品を掘り起こし読み込み、それぞれの作品が有する生の諸相や時代精神との関わりに共感し、それを批評の言葉に変えていく努力の重要性を再確認できたことである。また、越境文学が単にマイノリティ文学に留まることなく、各国民文学を革新し豊饒化する潜在力を秘めており、世界文学に開かれていく可能性を持つことを検証した。
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