研究課題/領域番号 |
17320137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
人文地理学
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研究機関 | 関西大学 |
研究代表者 |
高橋 誠一 関西大学, 文学部, 教授 (00025082)
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研究分担者 |
野間 晴雄 関西大学, 文学部, 教授 (00131607)
橋本 征治 関西大学, 文学部, 教授 (50067633)
平岡 昭利 下関市立大学, 経済学部, 教授 (90106013)
西岡 尚也 琉球大学, 教育学部, 准教授 (60336360)
筒井 由起乃 追手門学院大学, 国際教養学部・アジア学科, 准教授 (10368186)
貝柄 徹 大手前大学, 人文科学部, 助教授 (10221863)
木庭 元晴 関西大学, 文学部, 教授 (40141949)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
13,840千円 (直接経費: 13,000千円、間接経費: 840千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 6,100千円 (直接経費: 6,100千円)
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キーワード | 琉球 / 南海地域 / 海洋交易 / 伝統的農耕技術 / 伝統的地理観 / 文化交渉 / 文化伝播 / 東アジア / ベトナム / 離島 / 港市 / 農耕技術 / 日本町 |
研究概要 |
本研究は、南海地域における歴史地理的実体を多角的に解明することを主目的としたものであった。従来の地理学分野からの琉球研究は、都市、集落、民俗、交易活動などを個別的に扱い、かつ沖縄や奄美の一地方を対象としたものが多かった。しかしこれらの個別事例の蓄積のみでは、東シナ海や南シナ海全域にわたる琉球の実体の把握が困難であったことは言うまでもない。そこで本研究においては、中国沿海州・台湾・ベトナム・フィリピン、沖縄・奄美における現地調査を実施し、都市・集落景観、伝統的地理学観の影響と変容、伝統的農作物栽培の伝播過程、物流と交易活動、食文化の比較、過去と現在の当該地域における地理学教育に見られる地域差などに関して、立体的な分析を行った。以上の研究によって、琉球が果たしてきた重層的な歴史的役割の実態を、かなりの程度まで明らかにできたと考える。これらの成果の一部は各研究者による個別論文のほかに、2007年に沖縄県立公文書館において開催した国際研究集会報告書などにおいても公刊済みである。また全体的な成果の一部を報告書としても提示した。しかし、本研究によって解明できた点は、当初の目的からすれば、やはりまだその一部を果たしたに過ぎないと言わざるを得ない。すなわち南海地域における歴史地理的諸事象の伝播過程やその変容については、かなり解明したとはいうものの、本研究の成果は単方向的な文化事象の伝播や影響の摘出に終始したとの反省がある。文化の交流や伝播は、長い歴史的過程の中では、多方向的に複雑に錯綜することによって新しい様相を生み出すということができる。それらを明らかにすることによって、本究で対象とした地域に関する理解を深化することを今後の課題としたい。
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