研究課題/領域番号 |
17320138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
文化人類学・民俗学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
岩本 通弥 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (60192506)
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研究分担者 |
高木 博志 京都大学, 人文科学研究所, 准教授 (30202146)
淺野 敏久 広島大学, 大学院・総合科学研究科, 准教授 (00284125)
菊地 暁 京都大学, 人文科学研究所, 助教 (80314277)
青木 隆浩 国立歴史民俗博物館, 研究部, 助教 (70353373)
才津 祐美子 福岡工業大学, 社会環境学部, 准教授 (40412613)
足立 重和 愛知教育大学, 教育学部, 助教授 (80293736)
中村 淳 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助手 (10292715)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,390千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,290千円)
2007年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2006年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2005年度: 6,300千円 (直接経費: 6,300千円)
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キーワード | 景観 / 地域資源 / 保全と活用 / 民俗学 / 人文地理学 / 社会学 / 歴史学 / 資源化 / 地理学 / 保存と活用 |
研究概要 |
本研究では、景観が地域資源として利活用される事例として、国選定重要文化的景観や世界文化遺産への登録運動、および、農林水産業や鉱工業によって形成される景観の保全活用運動を主な対象として、国内に加えて韓国を含む20件以上にわたる現地調査を行なった。そして、1.これらの運動が展開するプロセス、2.これらの運動の政策的・学術的背景、3.これらの景観に地域内外から与えられる価値づけの様態、4.これらの運動が地域住民生活に与える影響、5.これらの運動が抱える問題点と矛盾について、地域住民・地域社会の置かれた現状に焦点をあてながら考察を加えた。 上記の事例調査と考察を通じて、本研究は、ともすれば政策的・学術的理念が地域の運動よりも先行し、地域住民・地域社会がそれらに引きずられざるを得ない状況が生じていることを明らかにした。特に、この10年クローズアップされてきた「文化的景観」をめぐるケースにおいてこれは顕著である。したがって、「政策的・学術的理念の再検討」と「現地事例の現状および現状に至る歴史的プロセスの分析」という相互に連関する2つのテーマのいずれか、もしくは両方に焦点をあてながら、研究成果はまとめられている。 この研究成果から敷衍される点として、次のことを指摘できる。すなわち、「景観」は、外部からの観察が可能な単なる可視空間ではなく、それを形成・維持・変容させるプロセスにさまざまなひとびとの営為がかかわる有機体であり、その意味では「文化」とも交換可能な概念である。「景観」を利活用する、あるいは、「景観」を価値づけ序列化することに結びつく政策や学知は、その「景観=文化」にかかわる地域住民・地域社会に対するより一層の配慮と、みずからの影響力に対するきちんとした自己検証が今後求められるはずである。
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