研究分担者 |
松浦 正孝 (松浦 政孝) 北海道大学, 大学院・公共政策学連携研究部, 教授 (20222292)
平田 武 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (90238361)
横田 正顕 東北大学, 大学院・法学研究科, 教授 (30328992)
中田 瑞穂 名古屋大学, 大学院・法学研究科, 教授 (70386506)
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配分額 *注記 |
13,970千円 (直接経費: 13,400千円、間接経費: 570千円)
2007年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2006年度: 5,300千円 (直接経費: 5,300千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
本研究は,「セミ・ポリアーキー」という新たな政治体制類型を理論的に確定したうえで,それに特有の体制メカニズムと,セミ・ポリアーキーからポリアーキーへ,あるいはセミ・ポリアーキーから非ポリアーキーへの政治体制変動の特徴的なダイナミクスを,戦間期のいくつかの事例を通じて明らかにしようと試みたものである。 本研究は,従来のようにポリアーキーを「包摂性」と「自由化」という2つの基準が高度に満たされた政治体制としてではなく,あらたに「政治的決定者の議会化への一元化」(その重要なメルクマールが議院内閣制の確立である)という基準を導入したうえで,これら3つの基準がいずれも高度に満たされた政治体制として理解することが,理論上正当であると考える。そして,「包摂性」あるいは「自由化」に関して不完全な体制として理解される,R・ダールの言う意味での「準ポリアーキー」とともに,(セミ・ポリアーキーI),「包摂性」と「自由化」についてはポリアーキー基準を満たしながらも,「議会化」が不完全な体制をもセミ・ポリアーキー(セミ・ポリアーキーII)と位置づけるべきものと理解する。セミ・ポリアーキーIの典型は「寡頭的議会制」であり,あるいは19世紀のイギリスであるが,事例研究で取り上げるのは,そうした観点からこれまで考察されたことのない,サラザール体制以前のポルトガルである。また,セミ・ポリアーキーIIは,議会=内閣の他の国家諸機構に対する優位が不完全な体制であり,それはポリアーキーの崩壊過程とともに,固定化以前のポリアーキーとしても姿を現すが,本研究で事例分析を行うのは,戦間期の新興諸国のうちポーランド・ユーゴスラヴィア・エストニア・チェコスロヴァキアである。 より本格的なセミ・ポリアーキー間比較は今後に残された課題であるが,これまで光が当てられなかった非ポリアーキーの一類型の存在を確認した本研究は,政治体制論の発展に少なからず寄与するものと考える。
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