研究課題/領域番号 |
17330068
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経済政策
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
岡田 仁孝 上智大学, 国際教養学部, 教授 (50158812)
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研究分担者 |
METHE David T. (DAVID T.Methe) 関西学院大学, 経営戦略研究科, 教授 (50294244)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
5,720千円 (直接経費: 5,300千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
2005年度: 1,700千円 (直接経費: 1,700千円)
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キーワード | リスク / 起業家 / 社内起業家 / 社会経済体制 / 制度的仕組み / ナノ / バイオ / 半導体 / リスク認識 / リスク心理学 / 企業家 / 支援体制 / 補完性 |
研究概要 |
日本人はリスク回避的であると言われているが、ハイリスクな領域でのイノベーションに成功しているケースが最近多く報告されている。価値観の基となる制度は、人間の行動を規制すると同時に、数々の補完的関係から、弱点をカバーする働きもあり、リスクを低減させ、それを取る行動を助長すると考える。この研究は、ナノ、バイオ、半導体産業において、企業家のリスク認識、制度、企業間関係等における補完的メカニズムを調べ、リスクを取る行動を助長する技術革新リスク・ガヴァナンス構造を包括的に解明しようとするものである。 企業家のリスク認識と企業組織の関係を分析し、次の四つの補完的モデルを統計的に抽出した。(1)内部ビジネス統括モデルでは、(1a)家族所有と低リスク・ビジネスを増やし、余剰能力で研究開発をする。又は、(1b)親企業の所有、統括、資金的援助を増やし、高リスク・ビジネスに集中する。両者の場合、リスク認識は高くならない。(2)研究開発リスク型は、研究開発予算を増やすことにより、高いリスクを取るが、市場への到達を早め、これが自信過剰やリスク認識の低下をもたらす。(3)ベンチャー資本(VC)リスク型は、VC企業を使い資本的なリスクを回避するが、VCが短期的な資本回収を試みるため、リスク認識が高くなる。(4)IPO型は、市場で資本調達をすると、リスク状況を統制する傾向が高くなる。しかし、実際は収益が向上せず、VC企業への依存を継続せざるを得なくなる。(1)と(2)のモデルが効率の良いリスク・ヘッジングとなり、技術革新や起業を促すが、その可能性は限られている。やはり(3)を利用せざるを得ないのが実情である。まだ、分析途中であるが、(1)と(2)には、いろいろな企業間関係が存在しており、日本の既存システムが補完的な構造を作っていると考える。よって、日本の技術革新と起業の原動力と効率性を理解するのに重要で、示唆に富んだ結果が出て来ている。
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