研究課題/領域番号 |
17330094
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
経営学
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研究機関 | 京都産業大学 |
研究代表者 |
大木 裕子 京都産業大学, 経営学部, 准教授 (80350685)
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研究分担者 |
小松 陽一 関西大学, 総合情報学部, 教授 (10068140)
古賀 広志 関西大学, 総合情報学部, 准教授 (20258312)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
4,960千円 (直接経費: 4,600千円、間接経費: 360千円)
2007年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2006年度: 1,400千円 (直接経費: 1,400千円)
2005年度: 2,000千円 (直接経費: 2,000千円)
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キーワード | 産業クラスター / ヴァイオリン製作 / クレモナ / 伝統技術の継承 / イノベーション / コミュニケーション / アート・ビジネス / アートマネジメント / 弦楽器工房 / ヤマハ / ヴァイオリン製作者 / 技術の継承 / ストラディバリ / 情報伝達 / 職人 / 産業集積 |
研究概要 |
本研究では、情報伝達のダイナミズムを探ることを目的に、研究対象として現代の情報技術をもってしても解明が難しく、最高傑作として評価されているクレモナの弦楽器工房を抽出した。16世紀後半から18世紀前半に至る間に、北イタリアの小都市クレモナでは、アマティ、ストラディバリ、グァルネリといった弦楽器工房において、数々の名器が製作されてきた。これらの名器の製作者は突発的に誕生したように受け止められているが、アート・ビジネスを展開するクレモナを舞台とした歴史的、環境的要因が、背景となり、ギルド、工房間及び内部の情報伝達が、技術の継承を超えた知の変換をもたらしたのではないかと考えられる。時を経て、クレモナは現在も弦楽器製作の産業クラスターを築きながら、ヴァイオリン製作のメッカとしての地位を保持している。本研究は、歴史的な背景を踏まえながら、クレモナにおける弦楽器工房の実証研究により、知の変換をもたらす情報伝達のダイナミズムを明らかにしようとするものであった。 情報伝達のダイナミズムについては、クレモナの歴史的及び現在の実態を測定、記述、比較、分析を実施した。これら歴史的事実を土台として、研究に際しては、まず少数の事例を対象とした詳細な定性的研究を行った。この事例研究を通じて、情報伝達の普遍的な諸変数を抽出し、仮説命題を導入した。続いて事例研究から析出された諸仮説を、定量的研究及び参与観察により検証するという方法を採用した。我々の研究の独自性は、情報伝達モデルを捉える際、単に組織内の情報伝達を考慮するだけでなく、環境と資源の組み合わせを考慮し、その関連性に注目する点にあった。本研究から得られた知見は、特に日本の伝統工芸を中心とした産業クラスターの再生や、アート・ビジネスにおけるブランド構築にとって、有意義な手がかりを与えるものであると確信している。
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