研究課題/領域番号 |
17330109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
社会学
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
好井 裕明 筑波大学, 大学院・人文社会科学研究科, 教授 (60191540)
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研究分担者 |
横田 恵子 神戸女学院大学, 文学部, 准教授 (50316022)
桜井 厚 立教大学, 社会学部, 教授 (80153948)
蘭 由岐子 神戸市看護大学, 看護学部, 准教授 (50268827)
山田 富秋 松山大学, 人文学部, 教授 (30166722)
種田 博之 産業医科大学, 医学部, 講師 (80330976)
栗岡 幹英 奈良女子大学, 文学部, 教授 (20145155)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
8,370千円 (直接経費: 7,800千円、間接経費: 570千円)
2007年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
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キーワード | 社会学 / 薬害 / ライフストーリー / 社会福祉学 / 薬害HIV問題 / 生活史 / 被害者 / 医療社会学 / 医師-患者関係 |
研究概要 |
本調査研究では、薬害HIV感染被害問題における被害当事者(患者)や家族の生活史聞き取りを中心に行った。血友病治療の核となる病院がある地域を全国で5地点選び、被害当事者だけでなく、当時血友病治療に携わっていた医師やカウンセラー、看護士など医療スタッフにも可能な限り、聞き取り調査を行った。被害当事者に対しては、血友病患者としての生活史、薬害HIV問題に遭遇し、医師からの感染告知など、被害にあったときの経験やその後の裁判闘争、現在にいたるまでの人生行程などを聞き取った。また医師など医療スタッフに対しては、血友病治療の実際、患者との関係性、非加熱製剤への認識、当時のHIVに対する認識、患者への告知の実際、告知後の患者との関係性、当時の医療行為に対する現在から見た批判や反省などを聞き取った。聞き取り録音は、徹底した匿名化作業を進め、聞き取り当事者にその内容を点検してもらい、了解を得たうえで資料として利用した。調査成果としては、大きく2つに分けられる。一つは、患者と医師の語りを比較することをとおして、当時の医師-患者関係を検討したことである。HIVに感染後も多くの患者は従来の医師の治療を受けている。そこには相互の人間的な側面を了解したうえで築かれる固有の信頼が感じ取れた。いま一つは、患者の生活史をまとめ直ことで、HIV感染という出来事に対峙し、人生を再構築していく被害当事者の姿が明らかになった。研究の意義は、被害当事者のナラティブから得た"生きられた経験"を読み解くことをとおして世間でステレオタイプ化された「被害者」カテゴリーを相対化できたことである。
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