研究分担者 |
今田 高俊 東京工業大学, 大学院・社会理工学研究科, 教授 (00107517)
大浦 宏邦 帝京大学, 経済学部, 准教授 (60297116)
三隅 一百 九州大学, 大学院・比較社会文化研究院, 教授 (80190627)
金井 雅之 山形大学, 地域教育文化学部, 准教授 (60333944)
小林 盾 成蹊大学, 文学部, 講師 (90407601)
渡邊 勉 信州大学, 人文学部, 助教授 (30261564)
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配分額 *注記 |
14,160千円 (直接経費: 13,200千円、間接経費: 960千円)
2007年度: 4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2006年度: 8,700千円 (直接経費: 8,700千円)
2005年度: 1,300千円 (直接経費: 1,300千円)
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研究概要 |
本研究課題は,地域社会の活性化・住民の生活充実における社会関係資本の影響についての,サーベイ調査による実証を目的としている。一般的な地域社会での「活性化」「住民の生活充実」の計測が難しいため,温泉観光地をフィールドとし,旅館経営者たちの社会関係資本と各宿泊施設の経営,あるいは温泉地の盛り上がりとの関係を,サーベイ調査データを用いて分析した。また「都市度」と「流動性」に着目して,地域社会住民の社会関係資本のあり方を,やはりサーベイ調査データを用いて分析した。調査研究の主な結果は以下の通りである。まず温泉観光地調査については,「橋渡し型」の社会関係資本を持つ宿泊施設について,経営状態がよいことが確認された。一方,「結束型」の社会関係資本が強い温泉地においては,宿泊施設の経営状態は悪いことがわかった。後者は,結束型が橋渡し型を補完する形で社会関係資本を形成する,という立場からは支持されない結果である。これは,温泉地の宿泊施設という,先行研究と異質な調査対象の性格による。しかし,地域社会では温泉地の宿泊施設のような「競合関係にあるが,地域活性化のためには協力が必要」という利害関係者集団が多い。その点で,この成果は地域活性化に社会関係資本の概念を導入する上でクリアすべき課題を明確にしたと言える。地域住民調査については,結束型の社会関係資本が,地域参加や政治参加行動を規定することが示された。しかし国政選挙への参加については,橋渡し型の影響力も確認された。社会関係資本の効果についてはいまだ論争が続いているが,今回の研究成果は,それにたいする解を与えたものである。
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