研究課題/領域番号 |
17330140
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育心理学
|
研究機関 | 大阪教育大学 |
研究代表者 |
白井 利明 大阪教育大学, 教育学部, 教授 (00171033)
|
研究分担者 |
川崎 友嗣 関西大学, 社会学部, 教授 (10298838)
若松 養亮 滋賀大学, 教育学部, 准教授 (50273389)
安達 智子 大阪教育大学, 教育学部, 講師 (40318746)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
15,570千円 (直接経費: 14,700千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 10,000千円 (直接経費: 10,000千円)
2005年度: 1,800千円 (直接経費: 1,800千円)
|
キーワード | 教育系心理学 / フリーター / キャリア発達 / 時間的展望 / 自立 / 大人への移行 / キャリア支援 / 青年期 |
研究概要 |
大卒フリーターがどのようにキャリア自立を行うか、その過程と条件を明らかにするために、ヒアリング調査を行って調査計画を作成し、全国の23-39歳の男女8336名の協力を得るという大規模な心理学調査を行った。心理学者が中心になって行った大規模調査はこれまでなかった。その結果、第1に、男性では正規雇用は独り立ちし,結婚している場合が多かった。第2に、将来はどうにかなるという受け身的な(easygoing)意識は非正規雇用が正規雇用より少なかった。第3に、非正規雇用は正規雇用に比べて過去・現在・未来がつながっておらず,フリーター支援では時間的展望の統合を目指すことが必要であるとした。第4に、男性では収入や競争などの達成系の価値観,女性では家族・子どもといった家庭系の価値観が絶対視されていることを指摘した。第5に、社会への信頼感が定職への探求を促進することを見出した。 以上から、第1に、フリーターのキャリア自立に対する心理的変数の意味が文脈依存的であるため、従来の直線型のキャリア発達理論ではフリーターのキャリア自立を説明するには不十分であり、キャリアコンストラクション理論などに基づく社会的文脈と個人の相互作用によるキャリア発達理論が必要であることを示した。第2に、社会的文脈と個人の相互作用について考えるにあたっては、内的・外的キャリアの考え方が重要となり、時間的展望の視点を取り入れたキャリア発達理論の再構築が不可欠であることを示した。第3に、時間的展望の視点を取り入れることによって示される新たな支援の方向性およびその具体的な展開については「自己・社会・決定」の3つの側面から検討できることを示した。
|