研究課題/領域番号 |
17330145
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
臨床心理学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
本城 秀次 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 教授 (90181544)
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研究分担者 |
氏家 達夫 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (00168684)
村瀬 聡美 名古屋大学, 大学院・教育発達科学研究科, 教授 (30335020)
金子 一史 名古屋大学, 発達心理精神科学教育研究センター, 准教授 (80345876)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,310千円 (直接経費: 5,800千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,900千円 (直接経費: 1,900千円)
2005年度: 2,200千円 (直接経費: 2,200千円)
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キーワード | 児童虐待 / 母子相互作用 / 精神健康 / 愛着 / 母親-胎児愛着 / 抑うつ / 妊娠産褥期 / maternity blues / 産褥期うつ病 / メンタルヘルス |
研究概要 |
近年、児童虐待の増加傾向が指摘されており、早期からの親子関係のあり方が大きな問題となっている。しかし、母子の関係を妊娠早期から継続的に調査し、産後の母子の愛着の問題との関連について長期的にフォローした研究はこれまで余り認められない。本研究で、われわれはいくつかの研究を報告したが、そのうちのひとつに、妊娠中の母親の胎児への愛着、すなわち母親-胎児愛着に関連する要因に関る研究がある。それによると、母親の胎児に対する愛着は母親の自分の親との愛着関係が直接影響しているのではなく、他者との内的ワーキングモデルを介して間接的に母親-胎児愛着に影響を与えていることが明らかとなった。さらに、妊娠期に抑うつ症状が強い母親、あるいは胎児に対する愛着を持ちにくい母親は、2年後の調査によって、子どもに対する否定的な感情や拒否がみられ、子どもとの情緒的な絆の形成に問題があるケースが多いことが明らかとなった。しかし、妊娠期の経済的要因、産科的要因は虐待行為やボンディング障害の重要なリスク要因とはならなかった。さらには、母親の抑うつの変化を妊娠中から、継続的に追跡し、妊娠期にも抑うっ得点がかなり高いことを明らかにした。また、妊娠中期から抑うつと母親-胎児愛着は密接に関連していることが明らかとなった。このように、本研究において、われわれは、母親-胎児愛着に関して多角的な視点から検討を加え、それに関連する要因を明らかにしてきた。また、それらの妊娠期からの要因が子どもが2歳になったときに母子の愛着形成の問題にどのように影響しているかを明らかにした。 これらの研究は、今後児童虐待の早期介入の問題などに有用なデータとなるであろう。
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