配分額 *注記 |
13,110千円 (直接経費: 12,600千円、間接経費: 510千円)
2007年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2006年度: 1,500千円 (直接経費: 1,500千円)
2005年度: 9,400千円 (直接経費: 9,400千円)
|
研究概要 |
本研究は,対処方略の採用およびその柔軟性を規定している個人特性を明らかにするとともに,社会的適応に及ぼす影響について検討したものである。 (1)対処の柔軟性とストレス:看護師を対象とした調査研究を行い,防衛的悲観主義や制御欲求が対処の柔軟性を促進していることが示された。また,対処の柔軟性はストレス低減に有効であるものの,その程度は情動焦点型対処のストレス増大効果よりも小さいものであった。 (2)防衛的悲観主義の対処とストレス反応:不安を感じながらも高いパフォーマンスを示すという防衛的悲観主義が採用する対処方略とストレス反応との関係を検討した。防衛的悲観主義は,問題焦点型対処だけでなく情動焦点型対処も多く採用しており,事態の解決に強く動機づけられていることがわかった。ストレス反応も防衛的悲観主義者で高かったが,課題成績に違いはなかった。 (3)時間管理とストレス:限られた時間の中で行わなければならない仕事の采配をする能力である時間管理が,ストレス反応とパフォーマンスに及ぼす影響を検討した。調査研究において,時間管理能力はストレス反応を低めることが示された。しかし実際に作業を行わせた実験研究では,時間管理能力高者のストレス反応は高く,パフォーマンスも低いことが示された。確実に得点をあげる方略を採用したため,予想とは逆の結果が得られたと考えられる。 (4)対人相互作用場面における対処採用:もっともストレスの喚起されやすいスピーチ課題を2回行い,対処方略の採用に変化が認められるかを実験的に検討した。1回目は情動焦点型対処が採用されやすく,2回目で課題解決志向の対処が採用されやすかった。ストレス反応も2回目で減少していることがわかった。このことから,対人関係場面においても,課題解決志向対処の採用とストレス反応低下に関連のあることが示唆された。
|