研究課題/領域番号 |
17330159
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
教育学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
佐藤 一子 東京大学, 大学院教育学研究科, 教授 (60114211)
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研究分担者 |
笹川 孝一 法政大学, キャリアデザイン学部, 教授 (70178630)
矢口 悦子 東洋大学, 文学部, 教授 (20331449)
辻 浩 日本社会事業大学, 福祉学部, 教授 (00227399)
平塚 眞紀 (平塚 眞樹) 法政大学, 社会学部, 教授 (10224289)
児美川 孝一郎 法政大学, キャリアデザイン学部, 助教授 (50287835)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,100千円 (直接経費: 14,100千円)
2006年度: 6,700千円 (直接経費: 6,700千円)
2005年度: 7,400千円 (直接経費: 7,400千円)
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キーワード | キャリア形成 / 成人継続教育 / 生涯学習 / 職業訓練 / 資格認定 / 社会的企業 / 若者雇用支援政策 / コンピテンス / 職業教育 / 若者支援 / 地域支援ネットワーク / 高校進路指導 / 大学生のキャリア支援 / ユースワーク |
研究概要 |
本研究では、ニート・フリーター問題をつうじて脚光をあびているキャリア教育の実態と若者就労支援政策について、比較成人教育の視野から実態調査をおこない、分析をおこなった。 青年の就労支援政策が1970年代から模索されてきたヨーロッパ諸国では、EUの経済発展計画にもとづき、生涯学習の枠組みによって雇用可能性を高める職業訓練の体系化が重点施策とされている。本研究では、ヨーロッパと日本・アジアにおける雇用支援政策・青年職業訓練政策・生涯学習の比較研究として、イギリス、イタリア、スウェーデン、韓国、日本の五力国を対象として、調査を実施し、あわせて補論として目本におけるアジアからの移民の職業訓練についてもインタビュー調査を実施し、グローバル化のもとでのキャリア形成の現状と課題を考察した。 ヨーロッパ諸国では、EUのリスボン戦略によってヨーロッパ的な標準資格の枠組み(European Qualification Framework)が形成され、各国の伝統的な学校から労働市場への諸形態を共通基準で認定し、相互に移動を高める政策を促進している。知識社会における新たな能力形成の議論を「コンピテンス(competence)」の概念をっうじて追求していることも注目される。コンピテンスとは、学校的な学力をべースとしながら社会的に獲得される能力の発達を視野に入れた概念であり、生涯にわたる学習を重視した政策化と結びっいている。また、具体的な雇用支援においては、ローカルコミュニティのレベルでの政府・NGO・社会的企業などの相互の連携が緊密におこなわれ、地域経済振興に結びついた起業支援政策としても注目すべき動向がみられる。失業青年とあわせて移民や女性など、社会的弱者をターゲットとした参加促進政策の対象とされており、青年に限定されない雇用支援施策が取りくまれている点も特徴といえよう。 日本や韓国の場合、進路指導、就労支援の多くが学校に依存しており、新規学卒市場における求人システムが安定的に機能してきたために、地域社会の支援システムという考え方自体がまだ未成熟である。しかし、青年の失業、転職問題をつうじて、ハローワークや地域の団体活動が連携して、職業的な能力形成を視野に入れた就労支援をおこなう必要性が高まっていることが明らかにされた。地域研究の対象とした群馬県と長野県において、地域に還流する青年や中途離職者のニーズにもとづき、さまざまな模索がなされており、学校と社会のネットワーク化による支援システムの構築の課題が浮き彫りにされた。
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