配分額 *注記 |
11,670千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 3,000千円 (直接経費: 3,000千円)
2005年度: 4,900千円 (直接経費: 4,900千円)
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研究概要 |
(1)前年度まで取り組んできた3次元CADによる出力用画像データの加工法の検討結果に従ってフェルメール「牛乳を注ぐ女」及び葛飾北斎「神奈川沖波裏」の3次元データを生成加工した。このデータを基に3次元造型装置により実際に3次元教材を試作した。既存の光造型機によるプラスチック素材は耐久性にとぼしいことが大きな課題であった。立体的な形状の再現精度では光造型法に及ばないものの,堅牢性に優れた固形材料切削加工とナイロン樹脂を素材とする粉末造型法による教材化の可能性について検証した。どちらの造型においても堅牢性にすぐれ,触覚教材として利用できることが確認できた。 (2)真空成型による立体教材作成法を開発した。これまでの取組から,半立体作品の触覚による鑑賞後,その触覚的印象を持ち続ける事は容易ではなく,時間経過と共にその3次元イメージを想起することが困難になることが示されたため,手元に置いて事後事前学習に活用できるコンパクト化した教材の作成に取組んだ。(1)で作成した切削加工法により造型した雛形が実際に活用できることを検証した。より廉価で携帯性にすぐれた真空成型での教材複製のシステムを確立した。 (3)「層化」及び「圧縮」の原理に基づいて立体翻案作品の鑑賞指導を試みた。面接調査により教材のわかりやすさ,指導法の適切さについて調査した。2次元的な触図に比べて半立体教材の認知がしやすいことが認められた。 (4)本研究により視覚障害教育における触覚教材についての3次元データ化の道が開かれた。教材を電子データ化することにより,触知覚能力の異なった個々のニーズに応じて教材をカスタマイズすることが可能となる,また,データを共有することにより,必要なときに必要な数量の教材を造型することもできるようになる。本研究により今後の視覚障害教育における触覚教材の作成の在り方の新たな方向性を示すことができた。
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