研究課題/領域番号 |
17340024
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
数学一般(含確率論・統計数学)
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研究機関 | 愛媛大学 (2007) 東京大学 (2005-2006) |
研究代表者 |
松浦 真也 (2006-2007) 愛媛大学, 大学院・理工学研究科, 准教授 (70334258)
岡部 靖憲 (2005) 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 教授 (30028211)
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研究分担者 |
湯元 清文 (湯本 清文) 九州大学, 宙空環境研究センター, 教授 (20125686)
武尾 実 東京大学, 地震研究所, 教授 (00197279)
加藤 天美 近畿大学, 医学部, 教授 (00233776)
堀田 武彦 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (90222281)
岡部 靖憲 明治大学, 理工学部, 特任教授 (30028211)
松浦 真也 東京大学, 大学院・情報理工学系研究科, 助手 (70334258)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,630千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 4,700千円 (直接経費: 4,700千円)
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キーワード | KM20-ランジュヴァン方程式 / 非線形情報解析 / Test(ABN-S) / Test(ABN-EP) / 分離性 / 深部低周波地震 / Nikkei 225 / 電磁波 / KM_2O-ランジュヴァン方程式 / Test (ABN) / Test (RSK) / 大脳皮質脳波 |
研究概要 |
本研究の目的は、実験数学の指導原理である「データから法則、モデルへ」の姿勢で、複雑系現象の観測データのみから、解析に使う定理の前提条件を検証し、データの非線形構造を抽出し、時間発展の「モデル」を導くことである。それを支える数学理論がKM20-ランジュヴァン方程式論である。これまでに、時系列の定常性、異常性、決定性などを調べるテスト(Test(S)、 Test(ABN)、 Test(D)等)を提唱し、種々の時系列に適用した。特に、特殊な地震(深部低周波地震)の解析をし、「分離性」(奇数次の多項式型変換を施した時系列から元の時系列への因果の強さが、常に、偶数次の変換を用いた場合より強い)という性質を発見した。この分離性は大脳皮質脳波などにも見られるが、通常の地震波や頭皮脳波にはなく、分離性を数学的に特徴付けることが、物理学的・脳科学的にも重要である。当該研究では、以下の成果を得た。 1.「分離性」を数学の概念として定式化し、確率過程の有限次元分布が対称ならば、分離性が成り立つことを証明した。さらに、離散時間確率過程の周波数域での表現定理を証明し、そこに現れるパラメータの違いによって、有限次元分布の対称性が破れても分離性が成り立つ場合があることを示した。 2.分離性と関係して、異常性の検出が重要であるが、Test(ABN)は大域的に発生する異常時刻を区別できない。これを補うため、非線形予測誤差を用いた時系列の異常性の検証法Test(RSK)を提唱し、その実用性を確認した。 3.分離性を持たない株価時系列も解析した結果、2次の多項式の非線形変換が特徴的なダイナミクスとして抽出されることが分かった。分離性のある深部低周波地震でも、共通の性質が確認される。この結果の数学的解釈は今後の研究課題である。 以上のように、本砺究により分離性の解明が、理論と応用の両面で進んだ。
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