研究課題/領域番号 |
17340064
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 大阪大学 (2006) 東北大学 (2005) |
研究代表者 |
岡村 弘之 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (10221144)
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研究分担者 |
畑中 吉治 大阪大学, 核物理研究センター, 教授 (50144530)
酒美 泰寛 (酒見 泰寛) 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 教授 (90251602)
民井 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 助教授 (20302804)
涌井 崇志 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイソトープセンター, 助手 (70359644)
篠塚 勉 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイシトープセンター, 助教授 (10134066)
寺川 貴樹 東北大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10250854)
伊藤 正俊 東北大学, サイクロトロン・ラジオアイシトープセンター, 助手 (30400435)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
13,700千円 (直接経費: 13,700千円)
2006年度: 4,800千円 (直接経費: 4,800千円)
2005年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | スピン偏極 / 中性子ビーム / 三核子相互作用 / レーザー光ポンピング / イオン源 / 実験核物理 / 核力 / 多体相互作用 |
研究概要 |
本研究では、スピン偏極した中性子と重陽子の弾性散乱から、クーロン力の影響を受けずに三核子相互作用のスピン依存性を調べるため、大強度偏極陽子ビームを廉価に生成する新方式イオン源の基礎開発を行った。提案したのは、レーザー光ポンピングにより偏極させたルビジウム蒸気と水素原子とのスピン交換によって偏極水素原子ビームを生成し、ECRイオン源で偏極中性原子をイオン化するというものである。初年度は偏極ルビジウム蒸気生成システムの開発に重点を置いた。高偏極度・大強度ビームを得るにはルビジウムの偏極度を高く保ちつつ高い蒸気密度を達成する必要があり、大強度レーザー光を効率良くルビジウムに吸収させる点が鍵となる。この波長領域では廉価で大強度の半導体レーザーが利用可能だが、ドップラー効果による吸収幅の広がりが1GHz程度であるのに対して発光幅は約1THzもあり、1000分の1程度のパワーしか有効に使えない。従来は、発光幅は狭いが高価なTiサファイア固体レーザーを使い、光モジュレータによって逆に幅を広げる事により高吸収効率を達成するのが一般的だった。半導体レーザーでも外部共振器で幅を狭める事はできるが、市販品は分光を目的とする1MHz幅・数mW小出力のものに限られていたため、回折格子の代わりにファブリーペロー型外部共振器を用いて数100MHz幅・1W程度の大強度を発振可能なレーザーシステムの開発を行った。波長幅を制限するエタロンの製作に予想外の時間がかかったが、長時間の安定運用を行うための波長フィードバックシステムの整備や原子ビーム部の設計・製作を平行して行った。また、超伝導ECRイオン化器の運転を次年度から開始し、希ガス重イオンビームの加速を通してビーム引き出し部やビーム輸送部の改良が行われた。研究期間内には偏極イオンビームの加速までには至らなかったが、今後偏極度計の整備等を進め、システムの完成を目指している。また、ワークショップを開催して原子核理論研究家との協力体制の促進も図った。
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