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大強度ミューオン源を用いたミューオン・レプトン・フレーバー非保存探索の発展

研究課題

研究課題/領域番号 17340077
研究種目

基盤研究(B)

配分区分補助金
応募区分一般
研究分野 素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
研究機関大阪大学

研究代表者

青木 正治  大阪大学, 大学院理学研究科, 助教授 (80290849)

研究分担者 久野 良孝  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (30170020)
田中 真伸  大阪大学, 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所, 助教授 (00222117)
五十嵐 洋一  大阪大学, 高エネルギー加速器研究機構素粒子原子核研究所, 助手 (50311121)
佐藤 朗  大阪大学, 大学院理学研究科, 特任助手(常勤) (40362610)
能町 正治  大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (90208299)
菅谷 頼仁  大阪大学, 大学院・理学研究科, 助手 (80324747)
研究期間 (年度) 2005 – 2006
研究課題ステータス 完了 (2006年度)
配分額 *注記
15,700千円 (直接経費: 15,700千円)
2006年度: 7,600千円 (直接経費: 7,600千円)
2005年度: 8,100千円 (直接経費: 8,100千円)
キーワード素粒子実験 / 放射線計測 / レプトン・フレーバ非保存 / ミューオン / ストローチェンバー / 導電性PEEK / レプトン普遍性 / ミューオン・電子転換 / カソード読み出し / ポールゼロキャンセル / BJTアンプ
研究概要

GUNZE(株)の協力により、直径5mm肉厚20μm全長800mmの導電性PEEKチューブを製造した。形状の直線性を検査した結果、歩留まりは低いものの平成15年度に試作させた同社サンプルチューブに比べて形状の直線性に顕著な改善が見られた。
我々の研究により、PEEKチューブストローがカソード読み出しストローチェンバーの素材として有望である事はわかっている。ただしチューブの抵抗値が数・MΩ/□もあるため高計数率環境下においてチューブがチャージアップすることが問題であった。この問題に対する解決として本研究では新たに、カソード電極を直接導電性PEEKストローへ電気的に接触させて読み出す方法を検討した。この方法を用いれば電荷はカソードパッドを経由して取り除かれるため、複雑なアルミ蒸着工程が不要となることが期待される。実験の結果、カソードパッドへの誘起電荷分布に顕著な改善が見られた。全誘起電荷量の増加も測定された。カソードパッド間抵抗がおよそ800kΩ(プリアンプのインプットインピーダンス80Ωの1万倍)もあるので、クロストークの影響も非常に小さい事が証明された。外付けの抵抗素子を用いて実験的した結果、ストロー1千本まではクロストークの影響が無視できる事を確認した。
アノード信号のポールはチェンバーガスの特性により決定される。一方、カソードパッド信号のポールはチューブの電気特性によりいろいろな値を取りうると予想された。そこで、ポールゼロキャンセル(PZC)特性を外部から設定できる新型のプリアンプICチップ(BJTプロセス)を設計し、VDECを活用して試作した。SPICEシミュレーションによれば、良好なPZC特性を得ている。
検出器の読み出し回路の枠組みとして、高エネルギー加速器研究機構で開発されたCOPPERシステムに着目し、500MHz FADCカードを使用したシステムの構築を行った。標準のCOPPER用500MHz FADCカードを改造して、波形情報は常時とりこみながらトリガー信号のタイミングから過去8μ秒までさかのぼった波形情報を外部へ記録できるようにした。これによって、大強度ビームを用いた実験環境下であってもパイルアップを含めた詳細な波形情報を収集できるようになった。また、複数のFADCを同期して動作させるため、同期クロックを外部から供給するモジュールを新規に作製した。COPPERと外部のデータ収集トリガー系を結びつけるインターフェースロジックを、FPGAを用いた.VME汎用ロジックポードを用いて作製した。内部クロックに同期して動作するFPGAを用いながらも、VHDLの記述を工夫する事によりトリガータイミングの時間情報を保存することに成功した。以上のコンポーネントを結合して、素粒子実験用の波形情報記録システムとして安定に動作させる事に成功した。
また、本システムの動作確認のため、TRIUMFで準備中であったπ^+→e^+υ崩壊分岐比測定実験のビームテストへ参加した。プラスチックシンチレータを本システムで読み出し、π^+→μ+υ、μ^+→e^+υ_eυ_μ崩壊チェインからなる複数の波形情報を解析し、同崩壊モニドを同定する事に成功した。なお、π^+→e^+υ崩壊分岐比測定実験はレプトン・フレーバ非保存の物理とも極めて関連が深い。ミューオン・レプトン・フレーバ非保存探索の一つの発展の方向として大変に興味深いと考える。

報告書

(3件)
  • 2006 実績報告書   研究成果報告書概要
  • 2005 実績報告書

研究成果

(4件)

すべて 2007

すべて 雑誌論文

  • [雑誌論文] Pion Decay-Mode Tagging in a Plastic Scintillator Using COPPER 500-MHz FADC2007

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Yamada
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Nuclear Science (printing)

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] PRISMとμ-e転換過程探索実験2007

    • 著者名/発表者名
      青木正治
    • 雑誌名

      めそん 25

      ページ: 20-23

    • 説明
      「研究成果報告書概要(和文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] Pion Decay-Mode Tagging in a Plastic Scintillator Using COPPER 500-MHz FADC2007

    • 著者名/発表者名
      Kaoru Yamada et al.
    • 雑誌名

      IEEE Transactions on Nuclear Science, printing

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要
  • [雑誌論文] PRISM and Searching for μ-e Conversion2007

    • 著者名/発表者名
      Masaharu Aoki
    • 雑誌名

      Meson 25

      ページ: 20-23

    • 説明
      「研究成果報告書概要(欧文)」より
    • 関連する報告書
      2006 研究成果報告書概要

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公開日: 2005-03-31   更新日: 2016-04-21  

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