研究課題/領域番号 |
17340080
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
素粒子・原子核・宇宙線・宇宙物理
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
中村 純 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (30130876)
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研究分担者 |
稲垣 知宏 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 准教授 (80301307)
国広 悌二 京都大学, 基礎物理学研究所, 教授 (20153314)
初田 哲男 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (20192700)
保坂 淳 大阪大学, 核物理研究センター, 准教授 (10259872)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
11,730千円 (直接経費: 10,800千円、間接経費: 930千円)
2007年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2006年度: 4,200千円 (直接経費: 4,200千円)
2005年度: 3,500千円 (直接経費: 3,500千円)
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キーワード | クォーク / グルーオン / QGP / 閉じ込め / QCD / クォーク・グルーオン・プラズマ / 格子ゲージ理論 / シミュレーション / 輸送係数 / 国際共同研究 / 極限状態 |
研究概要 |
1)RHICで有限温度、有限密度の物質が生成され、その理論的理解、特に格子QCDによる第一原理計算による理解が重要となっている。我々はクォーク・グルーオン・プラズマの粘性係数を、格子QCDの数値シミュレーションにより詳細に解析し、剪断粘性係数が非常に小さく、実験データの解析から示唆されている完全流体に近い状態であることを示した。 2)上記の計算を更に進め、体粘性係数が非常に小さいが有限の正の値を持つことを示した。 3)閉じ込め相、非閉じ込め相におけるクォークの伝搬関数を数値シミュレーションによって解析し、閉じ込め相の振る舞いでスペクトラムが正定置ではなく、非物理的である兆候を見いだした。クォークの質量は閉じ込め相、非閉じ込め相では大きく異なり、また特に閉じ込め相では通常の形では数値データをフィットできないことが見いだされた。 4)高温ではクォークの閉じ込めが破れることが期待されており、低温での閉じ込め機構を理解することが重要である。そのために、物理的なゲージであるクーロンゲージを使用し、Zwanzigerによって定式化されたカラー・クーロンカを数値シミュレーションで求め、閉じ込め力がカラー・クーロンカに起因し、Faddeev-Popov演算子の固有値の振る舞いと密接な関係を持っていることを示した。しかし、この固有値の温度依存性を調べると、予想されていたようなゼロ近傍固有値の急激な減少は観測されず、閉じ込め・非閉じ込め相転移が単純なものではないことが強く示唆された。 5)新しいアーキテクチャのCELL計算機に対する格子QCDコードを開発した。
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