研究課題/領域番号 |
17340100
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 独立行政法人日本原子力研究開発機構 |
研究代表者 |
坂井 徹 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究主幹 (60235116)
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研究分担者 |
奥西 巧一 (奥西 功一) 新潟大学, 理学部, 助教 (30332646)
岡本 清美 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助教 (40152342)
佐藤 正寛 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 博士研究員 (90425570)
大塚 雄一 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 量子ビーム応用研究部門, 研究員 (30390652)
利根川 孝 福井工業大学, 工学部, 教授 (80028167)
野村 拓司 独立行政法人日本原子力研究開発機構, 研究職 (90373240)
松本 宗久 東北大学, 大学院・理学研究科, 助手 (30374888)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
6,750千円 (直接経費: 6,300千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 900千円 (直接経費: 900千円)
2005年度: 3,900千円 (直接経費: 3,900千円)
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キーワード | スピンナノチューブ / スピンギャップ / 量子相転移 / 低次元系 / ナノ磁性体 |
研究概要 |
スピンナノチューブの中でも最も簡単な系である3本足スピンチューブを出発点として、この系の理論的研究から取り掛かった。まず口径が正三角形の場合について、この系のスピン励起のギャップ(スピンギャップ)に起因した量子相転移の性質を、有限サイズの系に対する行列の数値的厳密対角化と密度行列繰り込み郡により数値的に計算し、有限サイズスケーリングを適用して解析した。その結果、従来から予想されていたように、桁方向の反強磁性的相互作用が少しでもあるとスピンギャップが開くこと、また桁方向の相互作用が強磁性的である場合にはギャップレスであることが判明した。また、口径が正三角形から二等辺三角形になるような歪みが加わった場合の、この系の応答を同様の方法で解析した結果、正三角形からのずれに対して非常に急激にスピンギャップが消失する量子相転移が起き得ることが示された。 また、磁化過程に現れる新しい現象を理論的に研究した。まず飽和磁化付近における摂動論による解析的な研究により、従来予測されていたギャップレスの朝永・ラッティンジャー液体相の中に、新しいカイラル秩序相、及び不均一磁化秩序相が現れる場合があることが示された。いずれの相も、従来の2成分朝永・ラッティンジャー液体相のうちの1成分が存続しているため、長距離秩序が存在すると同時にギャップレスの励起スペクトルを伴うもので、まだ発見されていない新しい磁場誘起秩序相である。
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