研究課題/領域番号 |
17340109
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
物性Ⅱ
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
田島 節子 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (70188241)
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研究分担者 |
藤井 研一 大阪大学, 大学院理学研究科, 教授 (10189988)
増井 孝彦 大阪大学, 大学院理学研究科, 助手 (10403099)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
15,900千円 (直接経費: 15,900千円)
2006年度: 3,800千円 (直接経費: 3,800千円)
2005年度: 12,100千円 (直接経費: 12,100千円)
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キーワード | 高温超伝導 / 銅酸化物 / テラヘルツ分光 / 不均一状態 / サブミリ波領域分光 |
研究概要 |
(Y, Ca)Ba_2Cu_3O_yの単結晶を引き上げ法で育成し、一軸圧力下での酸素アニールによる無双晶化を行った後に、キャリア濃度調整のための酸素中ポストアニールを行った。CaなしのYBa_2Cu_3O_yについては、テラヘルツ領域の測定に耐えられる3mm角程度の大きさの試料が得られた。低エネルギー領域の分光については、当初予定していたBWOチューブを備えた光源を使った通常の反射率スペクトル測定を取りやめ、超短パルスのチタンサファイヤレーザーを用いた時間領域分光という新しい手法を採用することに変更した。この手法は透過率測定が多くなされているが、反射率測定には種々の困難があり、クライオスタット中の低温測定という条件で更に困難さを増す。そこで本研究では、光学系や試料ホルダーに種々の工夫を行って、これらめ問題点を克服し、高温超伝導体のサブミリ波領域の分光を行うことを目指した。金ミラーや(La, Sr)_2CuO_4を用いて反射予備実験を行ったところ、期待された結果を得ることができた。 一方、遠赤外分光によって、作製した無双晶(Y, Ca)Ba_2Cu_3O_y単結晶のa軸偏光、b軸偏光反射スペクトルを測定した。a軸偏光スペクトルからは、純粋なCuO_2面の応答が得られることが期待される。以前測定した最適酸素濃度のYBa_2Cu_3O_yのa軸偏光スペクトルと比べて、酸素過剰の試料のスペクトルは超伝導転移温度以下でも反射率が100%より低く、超伝導対形成に関与しない不対電子の存在が示唆された。この傾向は、極端な過剰ドープのCa置換YBCOの場合、更に顕著になることも確認された。原因として、キャリア過剰ドープによって、何らかの対破壊現象が起きているか、或は超伝導相と非超伝導金属相とに分離しているか、のどちらかが考えられる。高温超伝導体の電子相図を理解する上でも、超伝導機構解明の観点からも、重要な知見である。
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