研究課題/領域番号 |
17340138
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
気象・海洋物理・陸水学
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
若土 正暁 (若土 正曉) 北海道大学, 低温科学研究所, 教授 (60002101)
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研究分担者 |
大島 慶一郎 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (30185251)
青木 茂 北海道大学, 低温科学研究所, 准教授 (80281583)
深町 康 北海道大学, 低温科学研究所, 助教 (20250508)
牛尾 収輝 北海道大学, 情報・システム研究機構・国立極地研究所, 助教 (50211769)
木村 詞明 北海道大学, 低温科学研究所, 博士研究員 (20374647)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
16,780千円 (直接経費: 15,100千円、間接経費: 1,680千円)
2007年度: 7,280千円 (直接経費: 5,600千円、間接経費: 1,680千円)
2006年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2005年度: 5,000千円 (直接経費: 5,000千円)
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キーワード | 海洋循環 / 南極海 / 南北熱塩輸送 / 南極底層水 / 沿岸ポリニア / 海氷変動 / 気候変化 / 地球環境 / 南極低層水 |
研究概要 |
本研究の最重要課題は、南極海インド洋セクターで生成する南極底層水の北上流の季節変動を初めて捉えることに成功した現地観測データを解析することにある。我々は、ウエッデル海やロス海とともに南極底層水の主要な生成域の一つであり、これまで南北輸送流量のデータの全く無いアデリーランド沖をターゲットとして、冬季沿岸ポリニア域で生成する南極底層水が陸棚斜面を下降し、やがて西岸境界流としてケルゲレン海台東岸沖の海底近くを北上する海流量の季節変動を直接捉えるための流速計を中心とする係留観測を実施した。これは豪州CSIROとの共同研究として実施したものであり、2003年2月から2005年1月までの2年間にわたる、合計8観測点での流向、流速、水温、塩分、溶存酸素量のデータ取得に初めて成功した。極めて貴重な、そして膨大なデータの解析を現在精力的に進めている。これまでの解析から、特徴的なのは、どこの観測点でも流向が一様であり、ケルゲレン海台東岸沖斜面域では北西流が、遥か沖合の深海域では全く逆向きの南東流が卓越していることである。つまり、この海域では、ケルゲレン海台東岸沖の南極底層流の西岸境界流としての北上流と、その沖合での再循環による南下流の二つの卓越する循環系から構成されていることが分かった。 本研究ではまた、南極底層水生成域である沿岸ポリニア域で形成する海氷の氷厚分布を人工衛星データから検出して、熱収支計算を行うことによって、南大洋における海氷生産量をマッピングすることに初めて成功した。これにより、熱塩フラックスの条件を与えることも可能になった。一方、近年の地球温暖化によると思われる南極底層水の低塩化の原因として、上記マッピング手法により求められた、南大洋最大の海氷生産域であるロス海沿岸ポリニアでの海氷生産量が1990年代から2000年代にかけて約30%減少していることが大きく関わっている可能性を示唆した。 尚、本研究で得られた観測データはぼう大なものであり、より高いレベルでの解析には充分な時間を必要とする。そのため、本研究期間内には必ずしも十分な成果は得られていないが、1,2年以内にはインパクトある研究成果を世界に公表したい。
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