研究課題/領域番号 |
17350017
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
有機化学
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
大須賀 篤弘 京都大学, 大学院理学研究科, 教授 (80127886)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,500千円 (直接経費: 14,500千円)
2006年度: 4,100千円 (直接経費: 4,100千円)
2005年度: 10,400千円 (直接経費: 10,400千円)
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キーワード | ポルフィリン / 環拡張ポルフィリン / アニオン認識 / 非線形光学応答 / 2光子吸収断面積 / 芳香族性 / 反芳香族性 / 金属錯体 |
研究概要 |
オクタフィリンとアゾメチンイリドの1,3-双極子付加反応を検討したところ、アゾメチンイリドが1個または2個付加した生成物を得た。二つ目の付加反応は位置選択的に進行することもわかった。生成物の結晶構造を解明した。メゾートリフルオロメチル置換の環拡張ポルフィリンの合成を行い、ポルフィリン、ペンタフィリン、ヘキサフィリン、ヘプタフィリン、デカフィリン、ドデカフィリンなどの単離に成功した。デカフィリンは半月構造を、またドデカフィリンは分子内螺旋構造を取っていることを結晶構造解析により、明らかにした。また、ヘキサフィリンはねじれた8の字構造であるが、二酸化マンガンで酸化でき、やはり8の字構造のヘキサフィリンの酸化体を与えることも見いだした。ポルフィリン合成や環拡張ポルフィリン合成の第一ステップは脱水反応であり、反応溶液中の水に強く影響されると考え、水中ミセル存在下での環拡張ポルフィリン合成を検討した。その結果、珍しい構造をもったへプタフィリンが得られることがわかった。これまで、研究の遅れていたヘプタフィリンの化学を詳しく研究した。ヘプタフィリンはフリーベースでは、8の字構造をとり、溶液状態で放置するとゆっくりとN-fusion反応を行い、N-fused heptaphyrinを与えることがわかった。加熱することにより、二重にN-fusion反応をしたdoubly N-fused heptaphyrinを得た。更に塩基存在下に加熱すると、4重にN-fusion反応をしたquadruply N-fused heptaphyrinを与えることを発見した。ヘキサフィリンは主に、二つの安定なコンフォメーションを取り、溶液中では、置換基などにより、どちらかのコンフォメーションをとるか決められる。この際、メゾ位の置換基が非常に近接した位置に近づくように強制させられる。5,20-ジエチニル置換のヘキサフィリンを加熱すると二つの三重結合が反応し、ビニレン架橋ヘキサフィリンが定量的に生成することを発見した。生成物のビニレン架橋ヘキサフィリンは酸化体は芳香族性を示し、還元体は反芳香族性を示す。この反応を5-aryl-20-ethynyl置換のヘキサフィリンに適用すると、フェニル基などの単純な芳香環とアセチレンが反応し、形式的に[3+2]環化付加した化合物を与えることも明らかにした。
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