配分額 *注記 |
15,530千円 (直接経費: 15,200千円、間接経費: 330千円)
2007年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2006年度: 2,400千円 (直接経費: 2,400千円)
2005年度: 11,700千円 (直接経費: 11,700千円)
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研究概要 |
われわれが開発したL-セリンから合成した不斉配位子は,互いにエナンチオマーの関係にあるわけではなく,異なる化合物であるが,確実に逆のエナンチオ面を選択している。この方法論を一般的にいうならば,この同一の不斉源(今回の場合L-セリン)かち擬エナンチオマー(pseudo-enantiomer)の関係にある触媒,配位子を設計することによって,不斉触媒反応において生成物の両鏡像体を高光学純度で合成することになる。BINOLやBINAPのように配位子をラセミ体で合成し,それを光学分割する触媒ももちろん今後とも新たに優れたものが開発されるであろう。同時に、糖やアミノ酸など天然由来の光学活性化合物を原料として新しい不斉配位子を設計、合成する研究もますます盛んに行われることは疑いのないことである。その際,生成物の両鏡像体を得る手法として、触媒の配位子の設計の際,高い不斉認識能をもつ配位子を合成すると同時に,同じく高い不斉認識能をもつ擬エナンチオマー(pseudo-enantiomer)の関係にある触媒,配位子を設計・合成することは方法論としても理論的であり、概念的にも新しい指針になると考えている。光学活性化合物の重要性は医農薬などの生命科学分野のみならず、物質科学分野でも大きな注目を集めている。われわれの提唱・実証した擬エナンチオマー(pseudo-enantiomer)の関係にある触媒,配位子を設計の手法が今後さらに一般性の高いものになれば,不斉合成の分野に新しい手法を提供することになる。
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