研究課題/領域番号 |
17350049
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
合成化学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
金政 修司 九州大学, 先導物質化学研究所, 教授 (20038590)
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研究分担者 |
田中 淳二 九州大学, 先導物質化学研究所, 助手 (60155140)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2006
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研究課題ステータス |
完了 (2006年度)
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配分額 *注記 |
14,800千円 (直接経費: 14,800千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 11,100千円 (直接経費: 11,100千円)
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キーワード | 単一金属塩 / 触媒的エノラート化 / 2重触媒的活性化 / 耐久性触媒 / Michael付加反応 / 有機触媒 / ニトロアルドール反応 / ジアミンエーテル錯体 / 触媒的金属エノラート化 / 環境調和型の製造プロセス / 求核剤前駆体のエノラート化 / 触媒的基質活性化手法 / 直接アルドール反応 |
研究概要 |
単一金属塩による触媒的エノラート化の研究を積極的に遂行して、以下に述べる顕著な成果を得た。 キラルルイス酸触媒が求電子剤を高度に活性化しながら、同時に求核剤を触媒的にエノール化するための触媒としても機能する、新しい2重触媒的活性化手法を開発することに成功した。成功の鍵は、求電子剤を効果的に活性化するためのルイス酸触媒としてカチオン性のキラルルイス酸触媒を使用し、触媒的に生成したエノールの濃度を高めるためにエノールを安定化できるアルコール溶媒を用いている点にある。カチオン性のキラルルイス酸触媒としては、求核剤の配位に対して高い耐久性を有するニッケル(II)やコバルト(II)の金属塩を用いることが必須であった。この活性化手法をエナンチオ選択的なMichael付加反応に適用し、高活性で高選択的な反応開発に成功した。この方法では、両方の基質の高度活性化が行えるので、通常の単一活性化法では容易には達成できない、4級-4級炭素結合形成やキラルな4級炭素を構築できた。 金属塩にキラルな配位子とアキラルな1,2-エタンジアミン配位子を組み合わせて使用することにより、置換マロノニトリルとクロトンアルデヒドとの触媒的Michae1付加反応が、効果的に活性化されることを見出した。この結果は、添加する1,2-ジアミン配位子が配位子であると同時に有機触媒として働き、大きな反応加速を引き起こしたと考えられる。 ジエチレントリアミンとカチオン性銅(II)塩より調製した錯体触媒が、ニトロメタンと種々のアルデヒドとのニトロアルドール反応を飛躍的に加速することを見出した。そこで、新たにキラルなジアミンエーテル配位子を合成し、カチオン性ニッケル(II)塩から調製した錯体触媒が、THF/ニトロメタン混合溶媒中で種々のアルデヒド類とのニトロアルドール反応において、高いエナンチオ選択性を示すことを見いだした。
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