配分額 *注記 |
16,090千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 1,290千円)
2007年度: 5,590千円 (直接経費: 4,300千円、間接経費: 1,290千円)
2006年度: 4,300千円 (直接経費: 4,300千円)
2005年度: 6,200千円 (直接経費: 6,200千円)
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研究概要 |
多種類のアルコール類が共存している系で特定のアルコールのみを認識し系外に取り出すことができれば有機合成化学、反応機構の見地から価値が高い。本研究では他のアルコール類が存在しても1,2-ジオールを選択的に分子認識する系を見出した。既に、モノベンゾイル化によるラセミ1,2-ジオールの動力学的光学分割、メソ-1,2-ジオールの不斉非対称化が、キラルビスオキサゾリン(L^*)触媒、Cu(II)触媒の存在下に達成できることを見出していたが、17年度に、ベンゾイル化の代わりにカルバモイル化でも同様な不斉分割、不斉非対称化が起こりうることを見出した。本年度は、その延長の研究、即ち、例えば塩基を用いるmeso-1,2-シクロペンタンジオールのベンゾイル化で低かったエナンチオ選択性が、塩基を用いないカルバモイル化では-40℃でも速やかに進行し,高いエナンチオ選択性で対応するモノカルバモイル体を与えること、ならびに、その一般性を明らかにできた。さらに、メソ-1,3-ジオールである2,2-ビスヒドロキシメチル酪酸エチルステルに対してカルバモイル化とベンゾイル化による不斉非対称化の比較実験をした。その結果,ベンゾイル化反応ではラセミ体しか得られなかったがカルバモイル化では中程度のエナンチオ選択性が観測された。 本年度は、また、以下の結果も見出した。即ち、上述の光学分割法や不斉非対称化法がアミノアルコール類に適用できれば,光学活性アミノアルコール合成の有力な方法となりうると考え,まず2-N-ベンゾイルアミノエタノールをモデル化合物として,1,2-ジオールに有効であった銅-ビスオキサゾリン触媒による反応加速効果を検討し,銅-ビスオキサゾリン触媒が存在すれば,存在しない場合に比べ反応は加速することを見出した。その結果の応用としてベンゾイル化によるN-o-メトキシベンゾイル-ラセミ-バリノールの動力学的光学分割を行い、93%eeでこれを達成できることを見出した。
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