研究課題
基盤研究(B)
我々は、フルオラスタグを結合させる方法論でクロマトグラフィーに頼ることのないフルオラス糖鎖合成を開発してきた。本研究では、液滴向流分配装置や最近進歩の著しいマイクロリアクターへの応用を念頭に置いた新たな二層系糖鎖合成法の開発に焦点を当てた。まず、フッ化糖、N-フェニルトリフルオロアセトイミデート体を糖供与体として用いる反応について検討し、均一系[Et_2O-Novec(2:1)]では、高い収率でグリコシドを与えるものの、二層系での反応は全く進行しないことがわかった。そこで、高度にフッ素化された新規な糖供与体としてN-フェニルペンタデカフルオロオクタン酸イミデートを設計合成した。しかし、この場合にも、均一系では99%と極めて良好にグリコシドを与えるのに対し、二層系ではほとんど反応が進行しなかった。次に、フルオラス化したオキソカルベニウムイオンを調製できるよう供与体の保護基としてHfb基を用いた。6-O-Hfb体のトリクロロアセトイミデートを糖供与体に用い、ベンジルアルコールとの反応を行ったところ、二層系(ジクロロメタン-フロリナートFC-72)でも86%の収率で対応するグリコシドを与えることを見出した。このように初めてフルオラス溶媒-有機溶媒二層系で反応するグリコシル化反応を明らかにすることができた。予期に反し、二層系の反応が極めて困難であったが、新たな非水二層系でのグリコシル化反応を見出すことができた。本研究は、この反応を基により詳細な検討を続け、糖鎖自動合成装置へ繋がる反応の確立を目指す段階に遅滞なくステージアップすることになった。
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