研究課題
基盤研究(B)
我々は、多数の置換ポリアセチレンを合成しており、その中でサブナノ空間ポリマーと呼ぶことのできる高気体透過性ポリアセチレンを見出している。本研究では、高気体透過性を示す超ガラス状ポリマーの合成を目的とし、新規置換ポリアセチレンの合成および生成ポリマーの特性の検討を行い、以下に示す結果を得た。1)超ガラス状ポリマーであるハロゲン含有ポリ(ジフェニルアセチレン)の合成シリル基およびハロゲンを有する種々のポリ(ジフェニルアセチレン)を合成し、気体透過性について調べた。生成ポリマーは超ガラス状ポリマーと呼べる非常に高い気体透過性を示し、その酸素透過係数は2000barrer以上であった。特に塩素含有ポリ(ジフェニルアセチレン)の透過性はハロゲンを含有しないポリ(ジフェニルアセチレン)の4倍以上の値を示すことを見出した。2)脱シリル化法による二酸化炭素透過選択性水酸基含有ポリ(ジフェニルアセチレン)の合成極性官能基を含有するジフェニルアセチレンは重合触媒を失活させるために、以前には極性基含有ポリ(ジフェニルアセチレン)を合成することはできなかった。本研究者らは、ポリマー膜の脱シリル化(保護/脱保護)法により水酸基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)の合成を達成した。この脱シリル化法を用いて水酸基およびフッ素基を有するポリ(ジフェニルアセチレン)を合成した。このようにして得られた極性基含有サブナノ空間ポリマーは今までにほとんど例がなく、二酸化炭素の透過において特に優れた透過選択性を示すことを明らかにした。3)置換ポリアセチレン膜の気体透過性に及ぼすヒュームドシリカナノ微粒子の効果有機無機ハイブリッドやナノコンポジットは特性を向上させることのできる新しいポリマー材料である。三種類の置換ポリアセチレン膜に非多孔性ヒュームドシリカを添加すると、ヒュームドシリカの添加量の上昇とともに気体透過性が向上した。ポリ(1-クロロ-2-フェニルアセチレン)の場合、30wt%のヒュームドシリカを添加すると、添加前の酸素透過性と比べて10倍の透過性を示した。添加前のポリマーの気体透過性が高いほど、添加による透過性の向上の度合いは小さくなることが明らかとなった。
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