配分額 *注記 |
15,040千円 (直接経費: 14,200千円、間接経費: 840千円)
2007年度: 3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2006年度: 4,500千円 (直接経費: 4,500千円)
2005年度: 6,900千円 (直接経費: 6,900千円)
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研究概要 |
本研究は、水素結合や配位結合に基づく分子集合性非対称カプセルの構築と機能特性の解明を目的に研究を行った。本研究の成果を要約すると、次の通りである。 (1)種々の相互作用部位を有するお椀型大環状分子のキャビタンド1〜7を合成し、相補的水素結合や配位子間の立体効果と配位能力の組合せによる配位結合に基づく分子集合によって、構造的・電子的環境とサイズの異なる非対称カプセル1・3,4・5,4・6・4[Pd(dppp)]^<8+>等の構築に成功した。 (2)そして、これら非対称カプセルは非対称ゲスト分子の置換基の性質に応じて包接配向制御できることを見出し、配向異性(Orientational Isomerism)という概念が生まれた。 (3)非対称カプセルを構成する2つの異なるキャビタンド間で構造的and/or電子的環境が異なるため、非対称ゲスト(1,4-二置換ベンゼンρ-X-Ph-Y)を包接すると、2種類のキャビタンドとゲスト置換基X,Yとの間に働くCH-π,ハロゲン-π,CH-ハロゲン,CH-O等の各相互作用、ならびに、芳香環キャビティーとゲストの酸素官能基(特にカルボニル酸素)との静電反発に関して異性体間で差異を生じ、それらの総和で配向異性を発現することがわかった。 (4)また、水素結合架橋剤として2-アミノピリミジン(2-AP)やテトラヒドロ-2-ピリミジノン(THP)を用い、空孔サイズの異なる6成分分子集合カプセル2(1)・4(2-AP)と2(2)・4(THP)等の作り分けに成功した。
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