配分額 *注記 |
14,670千円 (直接経費: 13,800千円、間接経費: 870千円)
2007年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2006年度: 3,400千円 (直接経費: 3,400千円)
2005年度: 7,500千円 (直接経費: 7,500千円)
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研究概要 |
本申請研究では我々が開発したミオグロビンモデル(hemoCD)のキャルクタリゼーションを詳細に実施し、その学術的および応用化学的有用性を明らかにすることができた。我々が開発したhemoCDは世界で初めての水中で機能するミオグロビンモデルであり、今後、人工血液としての利用が要望である。hemoCDは天然におけるHisの代わりにピリジンを第5配位子として用いているが、ピリジンをイミダゾールに置き換えると、そのモデル化合物の酸素親和性が飛躍的に上昇することも発見した。さらにより簡単に合成可能なFe(II)PCDを用いたミオグロビンモデル化合物と一酸化窒素(NO)との相互作用を詳細に検討し、NO-Fe(II)PCD錯体は空気飽和の水中で安定ではあるが,徐々に自動酸化を受けて,Fe(III)PCDとNO_3^-イオンへと分解することを見出し.その酸化機構を解明した。主として速度論的な検討を実施した結果,分解反応はゆっくりとしたNO-Fe(II)PCDからO_2-Fe(II)PCDへの配位子交換がシクロデキストリンキャビティー内で進行し,続いてO_2-Fe(II)PCDと近傍にあるNOとが速い速度で反応し,Fe(III)PCDとNO_3^-を与えることを明らかにした.生体系のミオグロビンのNO錯体の自動酸化反応について,その機構論的研究がこれまでに2例あり,そのうちの1例は,我々の提出したものと同じ機構を考えている.生体系ではその反応機構を断定することは難しい(多くの因子が反応に関与するため)が,我々のモデル系から,ミオオグロビンNO錯体の自動酸化機構を明らかにすることができた.
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