配分額 *注記 |
11,240千円 (直接経費: 10,700千円、間接経費: 540千円)
2007年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2006年度: 2,500千円 (直接経費: 2,500千円)
2005年度: 6,400千円 (直接経費: 6,400千円)
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研究概要 |
高吸着・抗菌活性をもつ無機材料を用いて人体に対する生物悪影響を制御するために,ナノサイズの気孔をもつ炭素薄膜を酸化亜鉛や酸化カルシウムなどの表面に形成した。そして,炭素被覆セラミックス微粒子の抗菌活性を黄色ブドウ球菌及び大腸菌を用いて評価した。炭素薄膜を形成するための最適な炭素前駆体は重合度2000のポリビニルアルコールであり,形成した炭素薄膜の量は5重量%であり,直径が1-2nmの気孔が薄膜中に確認された。X線回折測定から,炭素薄膜は非晶質であることが分かった。また,炭素被覆は酸化カルシウム及び酸化マグネシウムの耐水和性を示し,酸性下における酸化亜鉛の溶解を抑制した。炭素被覆セラミックスの抗菌活性は被覆膜の形成により減少したが,炭素表面での細菌吸着は確認できた。黄色ブドウ球菌と大腸菌に対する抗菌活性を調べたところ,黄色ブドウ球菌の方が大腸菌より強い抗菌活性は認められた。本材料の応用の1つとして切り花の延命効果を検証したところ,切り花は30日間枯れることが無く,炭素被覆膜の形成は花の延命に対して効果があった。これらの結果より,抗菌性セラミックス表面への炭素被覆膜の形成は多機能型抗菌性材料として有用であること考えられた。
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