研究課題/領域番号 |
17350087
|
研究種目 |
基盤研究(B)
|
配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体関連化学
|
研究機関 | 甲南大学 |
研究代表者 |
杉本 直己 甲南大学, 理工学部, 教授 (60206430)
|
研究分担者 |
中野 修一 甲南大学, 先端生命工学研究所, 講師 (70340908)
三好 大輔 甲南大学, 先端生命工学研究所, 講師 (50388758)
甲元 一也 甲南大学, 先端生命工学研究所, 講師 (60388759)
|
研究期間 (年度) |
2005 – 2007
|
研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
|
配分額 *注記 |
15,490千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 690千円)
2007年度: 2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2006年度: 2,600千円 (直接経費: 2,600千円)
2005年度: 9,900千円 (直接経費: 9,900千円)
|
キーワード | 分子クラウディング / ポリエチレングリコール / 非水溶液 / 熱力学的安定性 / 分子間相互作用 / 構造変化 / 機能性核酸 / PCR / リボザイム / RNA加水分解 / 人工DNA / DNA高次構造 / 二次構造変化 / 四重鎖構造 / DNAポリメラーゼ / 論理素子 / 分子環境応答性 / 分子センシング / DNA / Watson-Crick / Hoogsteen / テロメア配列 |
研究概要 |
本研究は、核酸の分子間相互作用データベースを作成し、細胞内やセンサー表面などの非水溶液環境で分子センシングが行える機能性核酸の開発を目的とした。まず、金ナノ粒子表面でのDNAのハイブリダイゼーション能力を調べたところ、非水溶液環境におけるDNA構造の熱安定性は水溶液中とは大きく異なることが示された。そこで、金ナノ粒子表面や細胞内部での分子環境が再現可能な分子クラウディング実験系を構築し、オリゴマー核酸が形成する様々な高次構造とその熱力学的安定性に対する影響を調べた。その結果、分子クラウディングは二重鎖構造を不安定化させるが、三重鎖構造・四重鎖構造・左巻き二重らせん構造を安定化させることが明らかになった。さらに、分子クラウディング効果の化学的側面を解明するために定量的な解析を行ったところ、構造形成反応に関わる水分子がDNA構造の安定性と構造形成速度に大きな影響を及ぼしていることが見出された。こうして得られた核酸の相互作用情報を基にして、ポリアミンあるいは塩基性ペプチドに応答して構造遷移するDNA分子、分子クラウディングが構造変化のトリガーとなるDNAスイッチ、分子環境の変化に応答するDNA論理素子の開発に成功した。さらに分子クラウディング効果を利用すると、酵素活性の調節や高効率なPCR増幅を実現できる新しい技術を創製できることも示された。一方で、望みの分子環境で機能を発揮できると期待される種々の機能性人工核酸(生体環境でRNAを位置選択的に切断する人工DNA,糖鎖部位をもつ人工DNA、ポルフィリン機能をもつ人工DNA、DNA構造を安定化させる人工DNA、金属イオンに応答して可逆的に構造変化する人工DNAなど)の開発も行った。このような分子クラウディングに注目した機能性核酸の開発研究は医療分野や工学分野でも必要とされており、社会的インパクトが非常に高いものであると考えられる。
|