配分額 *注記 |
14,020千円 (直接経費: 13,600千円、間接経費: 420千円)
2007年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 9,300千円 (直接経費: 9,300千円)
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研究概要 |
単一鎖レベルで、(光吸収・電荷分離・電荷輸送)過程や(電荷輸送・電荷再結合・発光)過程などの高次機能を有するDNA/導電性高分子高次組織体を合成し、固体基板上での単一鎖レベルでの高次構造と光電機能の関連を明らかにすることで、革新的な光電機能を示す次世代分子材料の創製を目的とした。 DNA/導電性高分子組織体の直接観察を行う前段階として、DNAと光機能性分子であるRu錯体からなる組織体の形状観察、ならびにその組織体の電極間での伸長固定について検討を行った。DNA(リン酸基濃度)とRu錯体比が1:1まではRu錯体を導入していないDNAと同様な単一鎖からなるネットワーク構造が基板上に観察された。蛍光発光測定からも同濃度比が1:1の前後で挙動が変化していることから、DNAに光機能性分子であるRu錯体をDNAの溶液ならびに固体基板上での構造に影響を及ぼさずに高濃度に導入できることが明らかとなった。 この濃度比1:1の組織体溶液を電極間隔10μmおよび25μmの表面型電極上に展開し、電極間に高周波高電界を印加することで、電極間でのDNA組織体の伸張固定を行った。得られた組織体の構造はAFMを用いて解析した。濃度が比較的高い溶液においては電極端から電界方向に向けて数本から数十本の組織体がバンドル化したDNAファイバーが認められたが、単分子鎖レベルの組織体は観察できなかった。電界印加方向と溶液の蒸散方向を一致させることで、電界方向に単分子鎖レベルのDNA/Ru錯体組織体が配向固定できることが明らかとなった。 この結果を受けDNA/ポリアニリン(PAn)高次組織体の電極間配向固定を試みた。溶液調製や電界配向手段を工夫することで,高次組織体を電極間に配向固定することが可能となった。得ちれた組織体の断面積はDNA単体に比べ増加しており,また,単一鎖レベルでの電流電圧特性はPAnを複合していないものに比べ良好な値を示した。このことは,少なくともDNA単一鎖に沿ってPAnが配列し電気特性が向上したことを示しており,DNA/PAn高次組織体の単一鎖レベルでの電気特性を評価すること(機能性評価と発現)に成功した。
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