研究課題/領域番号 |
17350098
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
無機工業材料
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
今西 誠之 三重大学, 大学院・工学研究科, 准教授 (20223331)
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研究分担者 |
平野 敦 三重大学, 大学院・工学研究科, 助教 (60324547)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,950千円 (直接経費: 15,500千円、間接経費: 450千円)
2007年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2006年度: 3,700千円 (直接経費: 3,700千円)
2005年度: 10,300千円 (直接経費: 10,300千円)
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キーワード | リチウム電池 / 燃料電池 / 電極反応速度 / レーザーアブレーション / インピーダンス解析 / インターカレーション / 空気極 / 薄膜電極 / インピーダンス / 電荷移動 / 脱溶媒和 / 電子導電性 / LiCoO2 / WO3 / 界面抵抗 / インピーダンススペクトル / リチウムイオン電池 / 固体電解質燃料電池 / 単結晶電極 / 吸着 |
研究概要 |
電池デバイスの高出力化を図る上で、電極反応の機構とその速度を知る事は必要不可欠である。本研究では、リチウム電池と燃料電池の電極材料をPulsed Laser Ablation(PLD)法で、気孔がなく緻密で、結晶配向性を有する薄膜電極として作成した。この電極に対してインピーダンス解析および透過電子顕微鏡観察を組み合わせて、電極反応機構の議論を行った。(1)リチウムイオン電池正極としてLiMn_2O_4を取り上げた。この電極にリチウムイオンが進入する反応は、電極結晶構造の結晶性が高いほど、また、111面が表面に配向して出現する場合に高速化した。このような条件を満たす場合には数100Cから1000Cにも及ぶ極めて高出力の電極として作動する事が証明された。また、溶媒の影響も大きく、電気二重層の構造が溶媒種によって変化することを見出した。溶媒和能力の強い溶媒の場合には、リチウムイオンは溶媒和した状態で電極表面に物理吸着をしているが、溶媒和能力が小さい場合には、リチウムイオンは一部脱溶媒和して電極表面に直接化学吸着している可能性があり、この場合に大きな出力が得られた。(2)燃料電池の空気極における酸素分子の還元反応を同様の手法で解析した。空気極の材料としてペロブスカイト構造をもつLa_<0.8>Sr_<0.2>MnO_3(LSM)、La_<0.8>Sr_<0.2>CoO_3(LSC)、La_<0.8>Sr_<0.2>Co_<0.2>Fe_<0.8>O_3(LSCF)を比較したところ、抵抗値はLSM>LSCF>LSCの順となった。また基板の単結晶YSZの結晶配向性を変えて析出させたところ、材料種によらずYSZ(100)>(110)>(111)の順であった。さらに酸素分圧依存性は結晶配向性によらず、同じ材料では常に同じであった。以上より、酸素還元反応のサイトは遷移金属イオンであり、この種類と数が酸素還元反応の速度を決定していることを明らかにした。
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