研究課題/領域番号 |
17360007
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
応用物性・結晶工学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
深津 晋 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 准教授 (60199164)
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研究分担者 |
川本 清 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教 (40302822)
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研究期間 (年度) |
2005 – 2007
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研究課題ステータス |
完了 (2007年度)
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配分額 *注記 |
15,700千円 (直接経費: 14,800千円、間接経費: 900千円)
2007年度: 3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2006年度: 2,900千円 (直接経費: 2,900千円)
2005年度: 8,900千円 (直接経費: 8,900千円)
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キーワード | シリコン光増幅器 / シリコンレーザ / 直接遷移化 / シリコンフォトニクス / ガリウムアンチモン量子ドット / 電流励起 / オンオフ利得 / 増幅された自然放出光 / on-off利得 / 電流注入モード / 誘導放出光 / 結晶欠陥 / 自由キャリア吸収 / シリコンテクノロジ / SOI導波路 |
研究概要 |
間接遷移物質のシリコンを用いた光増幅器ならびにレーザの実現は物質科学の究極目標のひとつであるとともに「現代の産業革命」にも匹敵する。シリコン天賦の電子デバイス能を後ろ盾として脱砒素の推進、光機能素子の全面置換えが加速すれば、デバイス開発ロードマップの全面改訂だけでなくシリコンフォトニクスに代表される新産業分野のシーズ創出が期待できる。すでに導波路を初めとするシリコン光受動素子は実用化手前の段階まで迫っており、シリコン製の光能動素子が光電子チップ完成の鍵を握っている。 本研究ではその布石として極低温で動作するシリコン光増幅器(SiSOA)のプロトタイプ構築を試みた。試料は分子線エピタキシ法で作製した。シリコンをエネルギー障壁とするガリウムアンチモン量子ドットではタイプII型ヘテロ界面における電子のエバネセント結合を通じてシリコンが近接効果により直接遷移化する。その結果、界面局在3準位電子系に反転分布が発生し、光利得が得られる。実験では、バット結合させた1組のチップにおいてポンプ・プローブ配置のオンオフ利得を評価した。励起配置の工夫によって光・電流励起ともに増幅度の向上(10-13dB/cm以上)を達成した。SOI導波路では15dB/cm以上の利得係数を得た。電流励起動作では3準位系の存在と符号する励起飽和が観測され、強励起では自由キャリア吸収の損失が過剰となった。 さらにアンプ用チップをサブナノ秒パルス幅のマイクロチップ光源(532nm、8kHz)を用いて線状に光励起したところレーザ発振の前駆現象である増幅された自然放出光(ASE)の発生が観測された。これを裏付けるようにASEの発生とオンオフ利得発生の閾値は一致し、さらに時間ドメインでは反転分布形成にともなってスペクトル幅全域で減衰の初期加速が観測された。
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